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香坂英典コラム 第99回 全府中野球倶楽部【4】

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全府中の吉野監督[右]、田村コーチ[左]、写真=筆者提供


選手個人も発言


 プロ野球の場合では選手に何かを問うケース以外は、管理野球の下、監督、コーチが一方的に話す形に終始していて、ミーティングのときに選手に発言の場を設けるということはないのが普通だ。しかし、全府中野球倶楽部(以下、全府中)のこれまでの習わしなのかどうかは分からないが、試合や練習の終わりのミーティングのとき、ここでは監督、主将、コーチらが述べたあとに選手個人にも発言の場を設けていることに驚いた。

 選手個人にも意見を求め、自分もチームの一員だということを意識してもらうためには「選手も意見を述べる」ことは大切であり、少数意見の尊重もできる、クラブチームならではの試みだと僕は思った。

 ただ、僕が初めて参加したあきる野市長杯の試合のときに、ミーティングで選手が述べた意見の内容には驚いた。「なぜ、あのケースで送りバントなのか」という意見、言わば監督采配批判とも捉えられる可能性のある意見だ。また、「ケガで休んでいる選手がいるが、休んでいる場合ではないのではないか」というもの、あるいは「最後は0点に抑えたものの、四球でピンチをつくっておいて、最後にガッツポーズって、おかしくないか」などという意見だった。

 うーん、これでは野球はできない……。意見を述べるということを取り違えないように、そしてチームプレーを完結させるためには、どういう考え方をし、何をすべきかということをコツコツと伝える作業をしなければと思うようになる。

「チームプレーをしている人は、他人に干渉しない」

 この言葉は・・・

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