野村克也といえば、やはり長嶋茂雄、王貞治のON。ONが光、野村が陰のような言われ方が多いが、果たして、野村氏の本心はどうだったのだろうか。 
2018年、ジャイアンツ対ホークスのOB戦にて。前列が野村氏、後列が右から王氏、張本勲氏、長嶋氏
「驚いた。一瞬、言葉を失った。3週間前に顔を合わせたばかりだったから。久しぶりに2人で2、3分間ぐらい会話しただろうか。そのときのノムさんの言葉が忘れられない。『おい、頑張ってるか。俺はまだ生きてるぞ。まだまだ頑張るぞ』。だから私も『お互い頑張ろう』と話したばかりだった」
訃報の後、巨人終身名誉監督・長嶋茂雄さんの言葉だ。
1月21日、元国鉄、巨人の大投手・金田正一さんのお別れ会での入場の際、ともに足が悪いということで、控え室で待機していた長嶋さんと野村克也さんは、そこで互いに激励し合ったという。
現役時代、プロ入り年は違うが、同学年の長嶋さんを日の当たる場所で咲く「ひまわり」、自身を目立たぬ場所で咲く「月見草」とたとえた野村さんだったが、実は「バッターとしてのタイプも違うし、まずリーグが違う。ライバルとか競うとか、そんな考えは一切なかった。もちろんそっちは、俺のことなど完全ノーマークだっただろう」と言っている。長嶋さんがどうこうではなく・・・