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REAL VOICE 2023の決意と覚悟

ソフトバンク・栗原陵矢インタビュー 「ファンの皆さんの記憶に、 たくさん残るような選手にはなりたい」

 

ケガに泣いた2022年シーズンはもう過去のことだ。「まだまだやることがたくさんある」。完全復活、いや、これまでとは違う“ニュータイプ”として輝くときを迎え、伝説をつくっていく。
取材・文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM


キツかった開幕直後の離脱


 本拠地・PayPayドームのグラウンドに明るい声が響く。その姿にどこか懐かしささえ感じてしまうのは、やはり、わずか5試合で終わってしまった2022年シーズンのことがあるからだろう。もうすぐあれから1年がたつ。栗原陵矢は今、元気いっぱいだ。

 昨秋のキャンプは、参加するも一部別メニュー調整だった。しかし、今春のキャンプでは見事に完走。来たる『3.31』に向け、主軸の一人としてオープン戦に挑んでいる。

「春季キャンプの1カ月、本当にケガなく終えられたことが一番良かったです。まだまだ、自分の感覚と体の動きというのが合ってはこないんですけど。そこをしっかりと合わせることが、開幕に向けて一番かなと思います」

 自分の感覚と体の動きとのズレ――その最たる原因は左膝にあると言っていい。昨季を棒に振った故障箇所である。左膝を痛めたことで、体全体にも影響が出た。「膝もそうですけど、その周りがキツくなってくることも多いんですよね。やっぱり左膝をかばうというのか、左膝の影響で体全体が違う感覚、というのはあります」。その違和感は、今も完全に消えたわけではない。

 栗原にとっても、ファンにとっても、忘れることのできない3月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)。あれは、9回裏の守備でのことだった。

 二死からロッテ・福田光輝がセンターに打ち上げた飛球を追って、中堅の上林誠知と左翼の栗原が激しく交錯。栗原は左足を押さえながら、苦悶(くもん)の表情で倒れ込み、起き上がることができなかった。「痛みももちろんありましたし、足がしびれている感覚もありました。すぐに『ダメかも……』とはなりましたね」

 明らかな体、左膝の異変に、「キツかったですが、最悪な結果にはならなければいいなという感じでした」。翌日、佐賀市内の病院にてMRI検査を受け、球団から発表された診断結果は、「左膝前十字靱帯断裂」また「左外側半月板損傷の疑い」。この時点では「手術・復帰見込み時期などは未定」とのことだったが、長期離脱が避けられないことだけは明白だった。

 結局、その後・・・

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新シーズンに巻き返しを期す男たちの声を届けるインタビュー連載。

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