週刊ベースボールONLINE

[特別読み物]

ああ、懐かしの“アナログ的”契約更改時代

 

机をたたいたり、両手をついて頭を下げたりetc。
選手の側に反論データのない時代のいかにも人間くさい更改風景


 プロ野球選手の契約更改は年末の風物詩(?)になっているが、他人様の懐具合はなぜか気になるものである。
億単位の金額が飛び交うのが当たり前の現代の契約更改だが、その昔は、天下の巨人でさえシブチン球団だった。
ごく一部の大スター以外は、年俸アップの歩みは遅々たるものだった。
とにかく赤字球団ばかりなのだから是非もないことだったのだ。“年俸バブル”は80年代に西武がポンポンはずむようになってからのこと。
その昔の、プロ野球人の懐事情を振り返ってみる。


年俸バブルを持ち込んだ西武が久々にバブリー

 今オフの契約更改は、かなりバブリーに思える。その中でも突出しているのが、西武だ。

 おかわり君こと中村剛也内野手は12月9日、4年契約で最高20億円となる契約を結んだ。出来高を含めての額だが、それにしてもすごい。「海外FA権を持つ中村の流出阻止のため」と報じたスポーツ紙もあったが、来季31歳、左ヒザを手術しており、メジャーでやるならDHしかないだろうと言われるおかわり君のメジャー行きの可能性は薄い。それでも20億円をはずんだ西武。これは彼の人気と集客能力を考慮した結果だろう。と同時に、西武には5年連続V逸がよほどこたえたようだ。79年に西武となってから、5年続けて優勝を逃したのは初めて。この屈辱を晴らすVを奪回するには中村の打棒爆発が絶対条件となる。おかわり君にはおかわりを提供し続けないと困るワケだ。

 投手ではエースの岸孝之投手。12月10日、3年総額12億円で更改した。こちらも出来高払いを含めた数字だが、3年契約は球団の日本人投手としては最長。こちらは明らかにFA流出阻止。岸は順調に行けば来季中に国内FA権を取得するからだ。岸は「生涯西武でやる? できれば」と球団の“誠意”を受け止めた。

▲12月10日、3年総額12億円で契約更改した岸。大型契約に笑顔を見せた



 さて、球界にバブルを持ち込んだのは他ならぬ・・・

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