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ここからはチームの現状を知るカープ担当記者、テレビ・ラジオを通してチームの戦いを伝える地元テレビ局のアナウンサー、そして、地元・広島で発行しているカープ情報満載の月刊誌編集長による、2014年のシーズンを展望した座談会の様子をお届けする。
カープを知り尽くす3人による濃密なトークは、ここでしか見ることができない必見のものとなった。

取材・構成=新ヶ江周二郎
写真=BBM




新人2投手の怖さ

――1991年以来23年ぶりのリーグ優勝を目指すシーズンがいよいよスタートしました。ファンの期待も高まっていると思うのですが、キャンプ、オープン戦ときて今季の仕上がりをどう見ていますか?

坂上 すごくいいと思いますね。特に先発投手陣。マエケン(前田健太)、野村(祐輔)、バリントンの3本柱に大瀬良(大地)と九里(亜)の新人コンビ、「先発6番手」に名乗りを上げようと、福井(優也)、篠田(純平)、今井(啓介)ら中堅も必死なので、チームに良い影響をもたらすんじゃないですかね。

――ただ、バリントンはオープン戦の出来があまり良くなかった。

坂上 ノックアウトされた相手はどちらもパ・リーグ(ロッテソフトバンク)でしたからね。バリントンはストライク先行型なので、セ・リーグだったらポンポンとストライクを取って有利なカウントに持ち込める。だから心配する必要はないかと。

前原 条件はいくつかありますが、今季のカープは巨人の対抗馬と呼べる最有力候補ではないかと思います。

――条件というのは?

前原 やっぱり野球で順位を決めるのはピッチャーだと思うんです。セ・リーグの中で巨人に次ぐピッチャーがそろっているのはカープだと思います。ただ、先発ローテに未知数であるルーキー2人が起用されている点が怖さでもあるのかなと。

菅藤 でも、大瀬良への期待値はすごいよね。オープン戦でもモノが違うところを見せているし、僕は通用すると思う。

前原 新人2人はあくまでも上積み程度で考えないと。1年目から勝利を義務づけられたような立場で投げるのは酷じゃないですか? そのためにも先発3本柱がしっかりして、4番手以降が楽な気持ちで投げられるようにすることが大事になってくると思います。

坂上 確かに近年のカープは良いことが続き過ぎていますよね。野村は新人王を獲って、外国人選手も外れが少ないし。だから、仮に新人2人が結果を残せなくても、福井、篠田が食い込んできくれるんじゃないかと思っているんですが……。

菅藤 篠田はおそらくローテの谷間か「先発6番手」として起用されるんじゃないかな。

前原 キャンプ、オープン戦から首脳陣の間でもよく名前が挙がっていましたよね。

坂上 バッターに見えづらいフォームにしようと、やることが一貫している。左のローテが1人いるだけで、相手チームは打線を組み替えたり、対策を練ろうとするので、意味があると思います。

前原 昨季のカープを見ても明らかですよね。同一カードすべて右投手であれば同じスタメンで戦えますけど、カードの真ん中に左投手が入るだけで打線を入れ替えざるを得ない。カープでなくても、右と左では多少の影響はあるはず。敵チームの形を崩すためにも左の先発投手は出てきてほしいですよね。

――中継ぎ陣にも充実感が漂っていますね。

坂上 この前、小さいころからのカープファンである、ソフトバンクの柳田(悠岐)がポツリと・・・

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