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シーズン終盤にかけて優勝争いの中、和田監督の手綱さばきが注目される


首位・巨人を猛追する阪神。実は開幕から1度も首位に立っていない。和田豊監督は「本当の勝負は9月になる。少なくともそれまでは今の位置につけておかないと」と僅差で追い続ける必要性を説いている。9年ぶりのリーグ制覇に向け、カギとなる要素は何か。残り50試合を切ったペナントの戦い方に迫る。
写真=BBM

ポイント1:エースの復活 リリーフのテコ入れ


 長期ロード突入を前に首脳陣は一つの大きな決断を下した。8月2、3日のDeNA戦(甲子園)の雨天中止に伴い、先発陣の再編を敢行。これまで週明け水曜日に登板していた能見篤史を週末の土曜日に配置転換した。つまり12日からの巨人3連戦(東京D)の登板回避が決定。12年9月から14カード続いていたG戦登板が途切れることになった。「今は巨人というより、状態を上げてもらわないと。能見の復調がなければ、優勝はない」

 中西清起投手コーチは力説する。昨年まで3年連続2ケタ勝利を挙げてきたサウスポーが5月下旬の5勝を最後に、まさかの6連敗。原巨人との直接対決を避け、白星街道に乗ることで、状態を上げさせる考えだ。ここまでランディ・メッセンジャー藤浪晋太郎岩田稔は及第点の成績を残している。だが、先発5、6番手が固定できない現状だけに、エースが本調子を取り戻さなければ、先発ローテーションに綻びが生じてしまう。

逆転優勝するためには能見の立ち直りが絶対不可欠だと考える首脳陣は先発ローテを再編成し、エース復活を願う



 投手陣全体を見渡しても、チーム防御率はリーグ4位の4.02(8月9日現在)。昨年リーグトップの3.07だったことを考えれば、1点以上、成績が落ちている。今季の支配下登録32投手のうち、すでに25投手が一軍マウンドに立っている。中西投手コーチも「特にリリーフはいろんな投手を試しているが、なかなか固定できていない」と苦しい起用を強いられている。

 福原忍安藤優也らベテラン陣が踏ん張る中で秘密兵器となりそうなのが、150キロの速球を誇る松田遼馬だ。和田監督も「松田あたりがどのあたりで帰って来られるか」と名前を挙げるように、高卒3年目右腕に大きな期待を寄せている。2月のキャンプで右ヒジを痛め、リハビリを続けていたが、7月下旬に実戦復帰。順調にいけば8月中には一軍戦力となりそうだ。

ポイント2:ベテランの復権と故障組の帰還


 開幕から破壊力ある攻撃陣がストロングポイントとなってきた・・・

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