甲子園で魅せた雨男の真骨頂
松本裕樹は、「雨男」だという。
盛岡大付の松崎克哉部長が、こう証言する。「松本が投げる試合(公式戦)の半分は雨。雨男ですから、そのマウンドにも慣れているはずです」
今夏の甲子園。東海大相模との初戦(2回戦)は、その“得意”とされる雨のマウンドになった。序盤から、力感のない投球フォームだった。それこそが、松本の真骨頂。「リリースのときだけ100%の力で投げればいい」
松本はそう言う。時には相手打者と自身の力量を見定め、良い意味で手を抜く投球もできる。「感覚的に、ストレートは3段階に変えられる」
その投球術は、投手としての感度の高さを証明するものだ。東海大相模戦は、岩手大会決勝から痛みを感じていたという右ヒジの影響もあり、体の状態は万全ではなかった。それでも、勝負所ではギアを一段階上げ、神奈川大会11本塁打の強力打線を手玉に取った。「正面から戦ったら負けると思った。いろんなボールを投げ分けることができました」
カーブ、スライダー、ツーシーム、さらにチェンジアップやフォークといった変化球が冴えた。今春の盛岡地区大会で記録した最速150キロのストレートは見せ球にし、変化球主体のピッチングを心がけた・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン