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球団80周年を迎えた、人気球団・阪神タイガースに目を向けてみる。FAによる補強ができなかった今オフ。それだけ若手にもチャンスが与えられるが、昨年逃したリーグ優勝と日本一を記念の年に達成するには、何が必要なのか、を検証する。

優勝するには3つの条件がそろうこと


 新年が明け、球団創設80周年を迎えた阪神に一筋の光が差し込んできた。1月8日夜、海外FA権を行使し、メジャー挑戦を視野に入れていた鳥谷敬から球団に、今季も縦ジマでプレーする旨の連絡が入った。

「昨オフから補強もなかなかうまくいかない中で、鳥谷君が残ってくれるというのが一番の補強になりました。チームにとっても明るい話題というか、われわれにとってもいい結論を出してくれました」

 坂井信也オーナーが満面の笑みを浮かべたのは言うまでもない。昨季は主に「三番・遊撃」を務めた鳥谷の残留に伴い、大和の内野コンバートも封印。チームの骨格がきっちりと固まった。10年ぶりのリーグ制覇、そして30年ぶりの日本一に向け、あとは何が必要なのか。

▲チームの成長を誰よりも感じている和田監督。それをうまく使いこなしてリーグ優勝を狙っていく



1.福留の完全復活


 チーム主将の流出は免れたものの、昨季のメンバーから大きな変化はない。現有戦力の底上げがなければ、ペナント奪回は困難と言える。そんな中で、若手の台頭以上に大きな期待がかかるのは、移籍3年目を迎える福留孝介の存在だ。

「今年はヒザに不安がなく、気にせず走れた。例年より多くメニューをこなせました。今のところは(阪神入り以降の)この3年で一番いい状態じゃないでしょうか」

 1月20日に自主トレ先のハワイから帰国した福留の顔は真っ黒に日焼けし、充実した様子が漂っていた。

 昨季は3月30日の巨人戦(東京ドーム)で西岡剛と激突。鎖骨骨折などの重傷を負い、5月終了時点で打率は.193と低迷した。だが、夏場にかけて体調が戻り、バットの状態も上がっていく。9、10月の21試合で打率.357、4本塁打、13打点をマーク。

「シーズン終盤の打撃を1年通してできればいい。もう一度、首位打者を取りたい」と、自身9年ぶり3度目となるタイトル獲得に照準を合わせている。

▲福留の状態が良い。首位打者を目指すと言えるくらいで、彼が三番を任すことができれば優勝も間違いない!?



 和田豊監督は今季、鳥谷を一番に起用するプランを温めている。出塁率が高く、機動力、長打力もある一番打者が固定できれば、他球団にとって脅威となることは間違いない。

 ただ、これもクリーンアップの穴を埋められる代役がいてこそ、実現可能となる。福留が三番に入り、ゴメス、マートンとクリーンアップを形成できれば、昨季からの得点力アップが望めるはずだ。

「(打順は)僕が決めることじゃないけど・・・

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