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特集「我はエースなり!」

元ホークス・斉藤和巳氏に聞く「エースの心得」

 

あらゆる角度から“エース”にスポットライトを当てる今回の「エース特集」。かつてホークスのエースとして、絶対的な存在感を放っていた斉藤和巳氏に、「エースの心得」を説いてもらおう。
取材・構成=小林光男、杉浦多夢、写真=BBM


エースという存在はチームをけん引するリーダーの1人


1997年ドラフト1位で福岡ダイエーホークスに入団した斉藤和巳氏は、98年に右肩手術を余儀なくされる。2000年にプロ初勝利を手にするも、翌年はまたも右肩痛に悩まされ、02年後半にようやく復活。その時点で“未来のエース候補”と目されてはいたが、実績はまだともなっていない。その中で迎えた03年、斉藤氏はいきなり開幕投手を任される。実力も、内面も、鷹のエースへ成長を遂げる第一歩となった。

 最近はあまり「エース」という言葉に重みがなくなってきているように感じます。「右のエース」「左のエース」「中継ぎエース」「抑えのエース」……。自分が子どものころに見ていた「エース」というのは、チームに一人いるかいないかくらいの特別な存在でした。

 現役時代の自分がエースだったかというと、それは自分で決めることではなく周りに判断してもらうことでしたが、それなりの自覚と責任は持ってやっていたと思います。

 自覚と責任という部分において一番分かりやすいのは「結果」です。結果を残せない投手をエースとは呼びません。結果はエースであるための前提、「当たり前」のことになっていきます。だから、結果を求めることについては無意識に意識しておいて、「意識」はそれ以外の部分に向けていく。だから僕は、1週間に1回の登板日以外の6日間を大切にしていました。

 エースという立場は、必然的にチームのリーダーの1人でもあります。人の目や人の気持ちを意識して、自分の言動にも注意しなければいけない。それはしんどいことですが、そこに意識を向けることで自分の幅も広がっていきます。

 つまり、結果も含めてチームで最も「信用」「信頼」を受けているピッチャーが「エース」なのではないでしょうか。そのためには・・・

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