週刊ベースボールONLINE

特集・鉄壁のリリーフ

球団別ブルペン比較!リリーバーが戦いに備える空間

 

リリーフが投球練習を重ねるブルペン。投手がマウンドに上がる前に気持ちを高ぶらせ、精神を集中する厳粛な場所でもある。普段は立ち入ることが許されないブルペンの一部を紹介する。

「ブルペン」(bullpen)とは元々は「牛の囲い場」「仮留置場」の意味であった。それが野球における「救援投手練習場」としても用いられるようになったのには、囲いの中にいる牛を登板を待つ投手に見立てた──など諸説ある。

 12球団の本拠地にはすべてブルペンが存在し、リリーフ投手がスタンバイする。広さ、場所、マウンドの傾斜などそれぞれに特徴があるが、最大の違いはブルペンが屋外にあるか、室内にあるか、だろう。傾向としては新しく建設される球場は、ほとんどが室内にブルペンが設けられる。また歴史ある球場も過去にはラッキーゾーンにブルペンがあった甲子園のように、室内に移動するケースもある。屋外にブルペンがある球場では、投手の調整の様子が相手チームにさらされるために、継投における次の“一手”が読まれてしまうデメリットがあることも“室内化”の要因かもしれない。

 とはいえ、近くで投球練習を見られるのはファンにはうれしいこと。現時点では、神宮球場と西武プリンスドームが屋外にブルペンを設置している。ここでは12 球団のブルペンの特徴を比較することで、別角度からリリーフ投手の世界を掘り下げていこう。

ソフトバンク・福岡ヤフオク!ドーム(室内、ベンチ裏、レーン数=3)



 ベンチ裏に位置し、3投手が並んで投球できる。ブルペンを担当するのは田之上慶三郎投手コーチ。先発投手の調整から目を配っていく。試合が始まればスコアボードに状況を記しつつ、リリーフを手配していく。全身が映る大鏡にはブルペンの合言葉として“我慢”と“自信”の文字も。

日本ハム・札幌ドーム(室内、三塁ベンチ&カメラマン席裏、レーン数=3)


 明るい空間で三塁、一塁ともに3レーンあり、実際のマウンドと同様に固めに作られているのが特徴の1つ。投手の投球練習やウォーミングアップルームとして使われているほか、マシンを置いて打撃練習の場にもなっている。

ロッテ・QVCマリンフィールド(室内、内野自由席下・外野ポール付近、レーン数=3)



 ほぼ外野ポール際とロッカーから離れた場所にあるため、ブルペンへ向かう長い一本道の通路を歩きながら投手は気持ちを高めていく。マウンドの傾斜は実際のマウンドとほぼ同じ。中継ぎ陣はモニター前に置かれたソファで出番を待つ。プレートの裏から外に出るとブルペンカーが待機しており、すぐ正面のゲートから球場へと出ていく。三塁側ブルペンも一塁側と左右対称なだけで同じ作りになっている。

西武・西武プリンスドーム(屋外、フィールドビューシート横、レーン数=3)

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング