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ドラフト1位候補クローズアップ【高校生編】

佐々木朗希(大船渡高) 高校生最速163キロ『異次元』の存在 「評価していただけるのは、自分にとっても自信になる」

 

すでに「評価」は終わっている。早くも日本ハムは1位指名を表明しているが「令和の怪物」に対して、他球団は「行くのか?」「行かないのか?」の二者択一だ。最後の夏を目前に、練習試合の会場は報道陣、スカウトでヒートアップしていた。


 令和元年の超目玉、163キロ右腕・佐々木をめぐるスカウト戦線が大きく動いたのは、6月2日だった。佐久長聖高(長野)との練習試合(岩手県一関市内)を視察した日本ハム・吉村浩GMが佐々木のドラフト1位指名を「表明」。先手を打つ形となった球団戦略について、同球団の大渕隆スカウト部長はこう説明する。

「滅多に出ない存在。スケール感で圧倒していた。基準としてチーム状況ではなく、能力で取る『その年のNO.1』という方針がある。2019年に関しては揺るがない、変わらない。待っていても仕方がないわけなので、明確になった時点で表明したということです」

 佐々木は6月30日、由利高(秋田)との練習試合後、あらためて「国内球団志望」を明言。かつて菊池雄星(現マリナーズ)、大谷翔平(現エンゼルス)は強いメジャー・リーグ志向を持っていた一方で、佐々木はNPBを強く希望するが、MLB球団の動きは不透明。大渕スカウト部長は「(本人に)メッセージを伝えることも重要」と“誠意”を示す形を取った。日本ハムの早い動きに対して、ヤクルト・橿渕聡スカウトグループデスクはこう、反応する。

「なかなか出てこない選手だからこそ、早めの発表をしてきたのではないかと思います。高校生は夏でシーズンが終わり、大学、社会人も(スカウト戦線においては)佳境を迎える。スカウトグループだけでなく、最終的には会社の判断になります」

 現状評価は日本ハム同様、是が非でもほしい対象選手のようである。

「1位候補? 揺るぎない。(指名するかは)チーム戦略に関わってくることですが、チーム状況を我慢してでも、行きたい素材。編成部門との話し合いになるかと思います」

 中日・山本将道アマスカウトチーフ補佐は東北福祉大出身で、昨年まで26年、大学4年間を過ごした東北地区を担当してきたベテランだ。

「2年秋の段階で別格です。上司には『あとは行くか、行かないか』という報告をしてきました。今年4月に出した163キロ(国際大会対策研修合宿、近大グラウンド)は、ウチのスピードガンだったんです。『間違いだろう?』と思ったら・・・

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