個性ある選手を一つにまとめ上げ、見事にチームをリーグ連覇に導いた辻発彦監督。その手腕は見事だったが、果たして取材を通して実況アナウンサーが見た辻ライオンズの実像とは? 取材・文=市川忍 写真=榎本郁也 リーグ連覇を果たし、ファンの声援に応える辻監督
アナウンサー冥利、優勝の瞬間に実況
ライオンズが西武ライオンズとなって所沢へ移転した3年後の1983年から、ラジオ中継という立場からライオンズを応援してきた文化放送。『ライオンズナイター』での毎試合前の監督インタビューや、選手の一人語りコーナーなど人気企画も多い、ライオンズファンにはおなじみの放送局だ。その文化放送で2007年からライオンズ担当になった松島茂アナウンサーは今年、リーグ優勝の瞬間を伝える大役を務めた。チームを間近で見てきた松島アナウンサーから見た辻発彦監督の素顔やチームへの愛を聞いた。 アナウンサー冥利に尽きる瞬間は、やはりライオンズの優勝の瞬間をお伝えできたときです。辻発彦監督が就任して3シーズン目となりますが、昨シーズン、私は実況担当ではありませんでした。今年はマジック2で迎えた9月24日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)で実況することが決まっていて、幸運にもその試合をお伝えするという願いが叶いました。
優勝が決まるかもしれない試合で実況をするときは、事前にいくつかの「優勝の瞬間に使用する表現」を準備して行くのですが、今年も含めて、目の前で起こっている出来事を伝えることを優先しています。今シーズンの場合は
増田達至投手が両手を突き上げて、そこに
森友哉選手が抱きついて、徐々にほかの選手がマウンドに集まってくるという風景ですね。最低限言わなければいけない「2年連続23回目」などという情報はもちろん挟み込むのですが、やはり、その場で起きていることを素直に伝えるのが一番大事だと私は思っています。用意された美辞麗句なら現場にいなくても言えるのではないかという気がして、結局使わずに終わることのほうが多いですね。
今年の優勝の瞬間には・・・
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