ここからは実際にMLBでプレーをし、将来年金を受給できる元日本人メジャー・リーガーの藪恵壹氏に話を聞いた。年金制度を実際に肌で触れてどう感じているのか。元選手しか知らないメールのやり取りなどを語ってもらった。 取材・構成=椎屋博幸、写真=Getty Images アスレチックスとジャイアンツでメジャー・リーガーとして活躍した藪氏
MLBから常に年金情報提供あり
MLB.comの中にペンション・ベネフィット(年金)という項目があり、24ページにわたって記載されています。膨大な内容なのですべて読むのは大変です。私も分からない部分はあるのですが、現在知っている年金に関する知識を皆さんにお伝えしたいと思います。
まず、MLBの場合、メジャーアクティブロースター43試合から年金がMLBによってかけられます。受け取る年齢ですが、45歳、50歳、55歳、62歳の4段階に分かれると当時聞きましたが、実際は45歳からいつでも受け取れるみたいですね。年金を受け取る年齢は本人の意思で決められるようになっています。
私の場合、今のところ年金を受け取る選択はしていません。拒否するというよりスルーしている感じです。毎回、MLBから私宛にメールが送られてくるのです。そこでいつから欲しいという意思表示をすればいいだけのメールになっていますし、通知をスルーすれば、次の機会に回されていく仕組みになっているようです。
50歳代は働き続けると思いますので、現段階では受け取らないと思います。最終の62歳から支給を受けると思いますね。メジャーの場合、終身年金ですから、早くもらうとすると、その分、額は小さくなります
(→参照「メジャー式年金その真実を探る」)。そこは日本の年金制度と同じです。
私のメジャー経験は2年間です。MLBが定めた2年間の年金金額を基に、MLBによって私の元金が運用され、私が選択した年齢から、MLBが年金として支払っていくという流れです。またこの年金には決められた固定性の年金支給額とは別に・・・
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