週刊ベースボールONLINE

追悼 誰よりも野球を愛した男。

担当記者追悼コラム 野村克也の長嶋への憧憬/文=水本義政

 

オールスターでの左が長嶋茂雄巨人監督(現・終身名誉監督)、右がヤクルト監督時代の野村氏


「あっ、月見草……」と一人の老婆がつぶやく。それに主人公の若者はハッと胸をうたれる。多感な若者が少し人生を裏返しに見つめ始めたときに太宰治の裏返しの「生まれてすいません」という人生感にのめりこむ……。

 若いトラ番記者のころ、富士山の裏側の甲府を旅した。その“裏側からみる富士”がみたくて、わざわざ太宰という作家が逗留したちいさな温泉宿の、彼がそこで小説を書いた部屋に泊まってみた。

 別に理由はない。ただ『富嶽百景』のなかに青年が一人……バスのなかは富士山の輝くような威容が……と、ふとみるとみんなとは逆の山影の道端に小さな花がポツンとさいている。それをみて老婆がつぶやく。「あ、月見草……」。

 ノムさんにちょいと聞いたのだが「あのセリフは・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料
ドコモSPモード決済、auかんたん決済限定

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング