数々のタイトルを獲得したホークスのエース右腕は4度、開幕戦のマウンドに上がった。いつもとは違う独特の雰囲気。その意味をしっかりと受け止めて、腕を振った。 取材・構成=菅原梨恵、写真=BBM 初めての大役となった2003年3月28日のロッテ戦[福岡ドーム]。前年4勝の斉藤だったが、抜てきに応える好投を見せた
ドキドキとワクワク
開幕戦は長いシーズンのうちの1試合であり、特別な1試合でもある、と語る。初めての大役からエースへと成長していった右腕。開幕投手としての責任を感じながらも、その1試合の結果に縛られることはない。 初めて開幕投手を任された2003年は、ちょうどチームが世代交代の時期にありました。僕もまだ25歳でしたが、先発ローテの軸となる投手がいないということもあってか、開幕投手に関しては横一線だったと思います。言い渡されたのは、確か、開幕の1週間か10日前くらい。王(
王貞治)監督から直接、電話をいただき、「開幕、お前でいくから。任せたぞ」と伝えられました。
ただ、心づもりはできていました。ピッチングコーチの尾花(
尾花高夫)さんに、キャンプのときから「開幕から逆算してのスケジュールを提出しろ」と言われていたんです。それを僕だけに言っていたのか、ほかの投手にも言っていたのかは分かりませんが、そのときから開幕を頭に入れないといけないとは思っていた。とは言え、実際にどうなるのかはギリギリまで分からなかったので、監督から通達されたときに「ああ、現実になったな」という感じでしたね。
開幕戦のマウンドは、これまで立ってきたマウンドとはまったく違っていました。チームだけでなく、報道陣も、ファンも、オープン戦までとは違う雰囲気。球場も独特の空気感に包まれます。また僕の場合は・・・
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