長く正捕手を務めた嶋基宏が去った今、楽天はその後継者の確立が急務となっている。現在、最も近い位置にいると言われるのが「背番号2」の大卒2年目捕手。すべての面でレベルアップを遂げ、投手陣、そしてチームからの信頼を得られるキャッチャーを目指す。 取材・構成=阿部ちはる 写真=榎本郁也、井沢雄一郎、BBM 盗塁の抑止力を保てるように
2019年ドラフト2位で入団すると、ルーキーイヤーだった昨季は55試合に出場した。若手捕手を試合で使いながら育てていく球団の方針もあり、嶋基宏が抜けた今季、太田光は正捕手に最も近い存在と言えるだろう。 ──昨年は1年目ながら55試合に出場すると今春はキャンプ、オープン戦と一軍で過ごしました。昨年の経験が生きているのではないでしょうか。
太田 一軍と二軍では緊張感も責任も全然違うので、昨年はその中でミスが許されないという状況も経験できたことは大きかったです。だからこそ練習でも1球1球、1プレー1プレーをすごく大事にするようになりましたし、それが今につながっているのかなと思いますね。一方で打撃面では反省しなければいけない部分もありました。
──オフには打撃練習を中心に取り組んだそうですね。
太田 昨年一軍で打席に立つ中でパワー不足を感じましたし、根本的な部分としてスイングスピードを上げることが必要だと感じました。また、得点圏打率がすごく低かったので(.167)、そこを意識してボールの待ち方も研究してきました。捕手にも打撃は求められている部分だと思いますので、(打線の中で)穴にならないということは意識していますね。
──打撃フォームは変えたのでしょうか。
太田 大きくは変えていません。ただ、自分の体を理解するところから始め、どういったときがいい状態なのかを自分で把握しながら、いい状態の日をなるべく多く作っていけるよう意識しています。やはり安定した打率を残すためには、自分のいい状態を知ることが大事だと思うので。そしてそのいい状態にどうやって持っていけるかというところを、今も突き詰めていますね。
──その成果として、オープン戦ではチームトップタイの6打点を挙げました。
太田 そこはオフにやってきたことが少しつながっているのかなと思います。まだオープン戦だけではありますが、昨年よりも長打が増えているところも評価できる部分だと思います。ですがその分、三振が少し増えてしまっているので、そこのアプローチを打撃コーチとも話しながらやっている段階ですね。ただ、しっかりスイングできる打席が増えてきているので、それは継続していきたいです。
──オープン戦では捕手としてチーム最多の14試合に出場しました。
太田 開幕してからどうかが一番大事だと思うので、今の段階ではまだ自分に対して評価はできません。ただ・・・
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