週刊ベースボールONLINE

男たちの再挑戦 戦力外通告とこれから

ラストチャンスへの誓い 岐路に立つ11人のストーリー

 

いずれもチームで一時代を築いてきた実力者。それでもこのオフ、プロ野球人生の岐路を迎えることになった。共通する想いはただ一つ。「まだ戦える」。現役続行に執念を見せる11人のストーリーをお届けしたい。

ソフトバンク・内川聖一 もう一度、一軍でチャンスを


ファームでの成績を見ても、内川のバットはまだまださびついていない/写真=湯浅芳昭


 FAで横浜から移籍して10年。ソフトバンク移籍後初めて開幕二軍スタートとなった内川聖一は、一軍出場のないままシーズン終盤を迎えた。3年ぶりのリーグ優勝が近づく中、決断したのは「退団」、そして「現役続行」だった。

 球団が正式に退団を発表したのは11月2日だったが、第一報はリーグ優勝決定と同じタイミング。1日にタマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグ最終戦後のセレモニーで、内川はファンに向けて自らの口で現状を語った。

「僕の希望としては地元・九州の球団で最後を迎えたいという思いでやってきたんですが、残念ながらそれもかなわない状況になってしまいました。まだまだ自分でやれるとか、まだまだ勝負したいという思いよりも、今年1打席も一軍でチャンスをもらえなかったということが、自分の中では野球をやめるという決心がつかなかった、正直なところです」

 一軍の戦力になれなかったことは事実。だが、それ以上に複雑だったのは、その機会すら与えてもらえなかったことだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月の開幕が延期となり、自粛期間、限られた範囲での練習期間を経て迎えた6月の練習試合で、調子が上がらず二軍スタートに。それでも、若手選手に交じってファームで汗を流し、6.7月はウエスタン・リーグで.469の高打率を残していた。

 その一方で、異例のシーズンとなった2020年、チームは故障離脱を防ぐ観点などから、これまで以上に選手のユーティリティー性を重視。好調な内川よりも必要とされる選手はほかにもおり、それは最後まで変わらなかった。

 チーム事情と野球への思い――。内川は「ヒットを打つ喜び、ファンの皆さんに喜んでもらえる喜びというものを、これにはまだ続きがあるんだと自分で受け止めて」と、自分自身に期待を寄せている。新天地で再び、ヒットを積み重ねていく。

阪神・福留孝介 悔いを残して終われない


 春季キャンプのころは若手と変わらない動きをしていた。ただ、コロナ禍の中、3カ月の開幕延期は、福留の体内時計を狂わせてしまったのかもしれない。開幕した6月は7試合に出場し打率.095と極度の打撃不振に陥った。もともとはスタメンで試合に出続けることで、相手投手との間合いなどを図り、配球を読み状態を上げていくタイプ。しかし、それでも打撃は上がってこなかった。

 加えて新加入のサンズが打撃の調子を上げたことで、レフトのポジションを明け渡すことに。代打要員となり、1日1打席だけでは復調するには少な過ぎた。

 そこに新型コロナウイルスの影響を受けてしまう。9月に感染防止のため球団が定めた内規を超える人数で会食。その中から感染者が出た。球界最年長の福留が批判の的になった。球団からも制裁金を科される。そして・・・

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