大船渡高時代から佐々木朗希の節目の投球を欠かすことなくチェックしてきた槙原寛己氏がプロ初勝利を解説。確かな成長の跡を高く評価した。 解説=槙原寛己(元巨人/野球解説者) ボールの角度と外角低め
佐々木朗希選手のプロ初勝利(5月27日、対
阪神、甲子園)をチェックしました。まずは勝てたことが何より良かったと思います。と、同時に、あらためて球団から大事に育てられていることを感じました。
この日の試合は5回を投げて94球4失点(自責点は3)。1人の先発ローテーション投手として見るならば、物足りなさの残る結果かもしれませんが、彼の場合はそうではありません。育成途上にあり、一軍ではまだ2試合目。デビュー戦となった前回登板(5月16日、対
西武、ZOZOマリン)が同じく5回を投げて107球4失点(自責点は2)で、2試合続けて先発としての責任投球回数(=5回)をしっかり投げ切れました。いずれの試合も4失点していますが、2試合目で勝ちがついたことは、本人にとってはもちろん、中10日で起用したチームにとっても大きい1勝だったと思います。
育成途上という話をしましたが、この2試合は佐々木選手に経験を積ませる目的だけではないことを知っておかなければいけません。新人年だった昨年は、二軍での登板もありませんでしたが、今年は4月にまず、二軍戦でデビューを飾り、計5試合に登板しています。スタートの3試合は短いイニングを投げ、次の2試合は6イニングずつと着実にイニングを伸ばし、二軍での防御率は0.45です。きちんと段階を踏み、結果を残してつかんだ一軍の舞台で、
ロッテが考えている育成のプランが順調に来ていることを感じます。
初勝利を挙げた阪神戦は、ストレートの最速は154キロで、アベレージは150.8キロとのこと。高校時代に記録した160キロ(最速は163キロ)が話題に上り、ファンの皆さんはプロでも160キロをばんばん投げる姿を期待しているようですが、そのイメージは当面の間、置いておかなければいけません。いずれ、そのような姿を見れるときが来るでしょうが、今はその段階にはないということです。
今回の登板で見るべきは・・・
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