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'88五輪の証言者 INTERVIEW

栄光と挫折の記憶・石井丈裕インタビュー 邪心なきマウンド 「ゾーンに入った状態で投げる喜びだけを感じていました」

 

銀メダルに終わったソウル五輪でエース格として投げた石井丈裕。5試合中、4試合に登板、そのうち先発は3試合だった。だが石井は「疲れはまったくなかった」という。日の丸を背負い投げられる喜びだけがあった。
取材=小林光男

石井丈裕はエースとして銀メダルを獲得


 前回のロス五輪で金メダルを獲得し、ソウル五輪には推薦で出場できましたが、五輪前の世界選手権ではメダルを獲得することができませんでした。鈴木義信監督に「この状態ではダメだ」と叱咤激励されたことは覚えています。その世界選手権でエース格の渡辺(渡辺智男)君が故障。潮崎(潮崎哲也)君や野茂(野茂英雄)君は年下でしたし、たまたま結果が良かった私がソウルで中心投手として起用されていった感じでしたね。

 金メダルというよりも、とにかく自分の役割を果たそうと。やはり、日本代表に選ばれたくても選ばれなかった選手たちもいたわけです。その悔しさも背負っている。だから、とにかく出番があったら、一生懸命に投げようという思いだけでしたね。日の丸の重さも当然、感じていました。試合前、『君が代』を聞くと必ず鳥肌が立ちましたからね。

 私は予選リーグ初戦のプエルトリコ戦に先発、2戦目の台湾戦でリリーフとして登板。そして・・・

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