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最強の監督論

【監督を語る。】川口和久(元広島-巨人) 「オンとオフがはっきりしグラウンドでは鬼になった原監督」

 

広島入団後、古葉竹識監督に抜てきされ、巨人では長嶋茂雄監督、コーチとして原辰徳監督の下で戦った。タイプの違う指揮官たちから何を学び、何を感じたのか。

原監督[左]2期目にコーチを務めた[中央]


7回からは俺がやる!


 2011年、原(原辰徳)さんが2期目の巨人監督中に投手コーチで呼んでもらって4年間一緒にやらせてもらいました。その間、2年目の12年からは3連覇もあったし、僕自身、いい経験をさせてもらいました。すごい監督さんですよ。まさに平成、令和の最強の名将でしょう。

 ただ、何度か意見がぶつかったこともあります。だって頑固なんですよ(笑)。原野球、たぶん父親の貢さんの野球もミックスした原家の野球というものがしっかりあって、それを絶対崩さない人でした。

 特にすごいと思ったのが「初志貫徹」というか、一番最初に感じたことを大事にしようという考え方です。「迷ったら下手を打つ。一番最初に感じたことが一番正しいことが多いんだ」と言っていて「でも、失敗もあるでしょ」と聞いたら、「最初に決めたことなら失敗しても尾を引かない」と。「よし、これで行く!」と決めてやったほうが、ダメでも「次はこっちにしよう」と切り替えられるということでしょうね。

 実際、思い切りがいいし、決断ができる監督です。実績あるベテランだろうが関係なく、代えるとなればスパッと代える。以前、坂本勇人が1打席目で気持ちの入っていない見逃し三振をしたら、いきなり代えたこともありました。マスコミがどう書くかとか、人気球団だけにいろいろあるけど、原監督はまったく恐れなかったですね。「この人は、この決断でチームをぶち壊してしまうことになってもいいと思っているんだろうな」と何度も思いました。

 ただ、厳しさは前面に出すけど・・・

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