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2022魅惑のスタジアム 12球団本拠地ガイド

【ベルーナドーム】歴史を重ね再生した獅子の聖地

 

新型コロナ対策の入場制限が緩和されスタジアムに熱気が戻ってきた。スポーツ観戦の醍醐味は、ライブ体験に尽きる。エースが気合いを吐き出しながら、ミットに投げ込む剛速球。四番打者がたたいた乾いた打球音。スタンドからの手拍子や拍手。どれも球場を訪れないと味わうことのできない、貴重な体験だ。過去2年、コロナ禍であっても12球団の本拠地は、新たなファンを迎えるために進化してきた。今号は「球場特集」として、スタジアムの魅力をお届けする。さあ、野球場に足を運ぼう!

ベルーナドーム


 ライオンズが九州から埼玉へ移転して西武ライオンズと生まれ変わった1979年、約50億円の巨費が投じられ誕生したのが西武ライオンズ球場だ。狭山丘陵の自然な斜面を生かして造られた掘り下げ型で、外野側ほど低く、バックネット方向に行くほど高くなる。センター後方の入口から一塁側、三塁側と分かれ、なだらかな上り坂の外周道路を進むと、“すり鉢”が眼下に飛び込んでくる形だ。MLBドジャースの本拠地、ドジャー・スタジアムを参考にスタンド、人工芝はグリーンで統一。当初、外野も芝生席だったが、周囲の自然とマッチして、非常にさわやかな印象を与えた。

 その西武球場が生まれ変わったのは99年だ。96年10月に自然環境との共存をテーマにした“屋内屋外中間型”のドーム化計画を発表。まずは観客席部分に屋根を取り付け、グラウンド内の上は穴が空いた状態だったが名称は98年西武ドームに。翌99年に完全に屋根で覆われる形になった。完全に閉鎖されていないので、春秋の心地よい風、夏の暑さも体感でき、四季を感じられるドーム球場だ。2005年には命名権で名称がインボイスSEIBUドームに。07年にグッドウィルドームに変更されたが一旦、命名権を取りやめ08年から西武ドームに戻った。その後、15年から西武プリンスドーム、17年からメットライフドーム、そして今季からベルーナドームと変遷を重ねている。

 17年11月にはドームエリアの改修計画が発表され、21年3月に工事が完了。一軍と二軍の本拠地が隣接しているのも特徴だが、若獅子寮、室内練習場を新設し、西武第二球場(現CAR3219フィールド)もリニューアルするなど育成環境面の施設が刷新された。さらに野球と遊びを融合した遊戯施設「テイキョウキッズフィールド」が造られ(※利用料金が必要)、ドームエリアの新しいシンボルとしてトレイン広場に西武鉄道の車両を1両設置。

大型遊戯施設「テイキョウキッズフィールド」。高さ5.5mのタワーから滑り落ちるローラースライダーは迫力満点


「Lビジョン」も従来の約2倍の大きさとなり迫力十分に。場内外にはデジタルサイネージを301台、分散型スピーカー223台を新設。西武の選手が本塁打を打ったときなど映像や効果音の演出連動も非常にきらびやかだ。

 大型フードエリア「グリーンフォレスト デリ&カフェ」「アメリカン・エキスプレス プレミアム® ラウンジ」がオープンするなど・・・

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