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2022魅惑のスタジアム 12球団本拠地ガイド

【明治神宮野球場】稼働率No.1のプロ・アマ共存舞台

 

新型コロナ対策の入場制限が緩和されスタジアムに熱気が戻ってきた。スポーツ観戦の醍醐味は、ライブ体験に尽きる。エースが気合いを吐き出しながら、ミットに投げ込む剛速球。四番打者がたたいた乾いた打球音。スタンドからの手拍子や拍手。どれも球場を訪れないと味わうことのできない、貴重な体験だ。過去2年、コロナ禍であっても12球団の本拠地は、新たなファンを迎えるために進化してきた。今号は「球場特集」として、スタジアムの魅力をお届けする。さあ、野球場に足を運ぼう!

明治神宮野球場


 本拠地球場では甲子園球場に次いで2番目の歴史を誇る。春と秋には大学野球のリーグ戦が行われ、アマとプロの併用は当たり前。長い間、共存共栄の関係性を築いてきた。

 国立競技場や秩父宮ラグビー場とともに緑豊かな神宮外苑に構え、都会のオアシスとして愛されてきた。球場から望む夕焼けは息をのむ美しさで、街中の喧騒を忘れさせてくれる。立地もよくアクセスも快適だ。

得点時やラッキーセブンには「東京音頭」に合わせて応援ミニ傘をフリフリ。色とりどりの傘がキラキラと輝く


 球場建設のきっかけは大学野球。早慶戦人気の高まり、東京六大学野球連盟の結成で、明治神宮外苑内に野球場を要望する声が高まり、建設が決定。建物の高さを制限し、芝生や植え込みを多くするなど外苑全体のバランスを考え、美観を損ねないように作られた。

 1926年10月24日、東京六大学リーグ戦の明大対法大1回戦で初めて使用され、以来、数々の熱戦が繰り広げられた。プロ野球の試合が初めて行われたのが45年11月23日の東西対抗戦、公式戦は48年8月28日の巨人対東映が最初だった。

 スワローズは、国鉄スワローズ時代の64年からフランチャイズ球場に。78年には球団初のリーグ制覇を本拠地で決めた。同年の初の日本一は6度目の日本一を達成した昨季同様、大学野球と日程が重なり、日本シリーズを本拠地で開催できなかった。

 90年以上の歴史を持つアマチュア野球の聖地は、時代に合わせて何度も手が加えられてきた。学生野球の人気上昇もあり、31年に初の拡張工事を実施。内外野のスタンド拡張によって完成したアーケード型通路は現在も姿を変えていない。その後も、スタンドの増改築に、座席の改装、電光式スコアボードの設置などを次々と進めた。2008年にはグラウンドを拡張し、両翼が現在の97.5メートルに広がっている。

 10年代に入ると、老朽化による耐震補強工事とリニューアル工事を繰り返す。正面スタンドの大屋根改修や車椅子エリアの移設など、快適な野球観戦を提供すると同時に、人工芝の張り替え、外野ネットの改修などプレー環境の向上にも努めてきた。

 古き良き屋外球場だが、座席もバラエティ豊か。ボックスシートやパーティーデッキ、ペアシートにヒップバーシートなど・・・

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