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逆襲の犬鷲 INSIDE REPORT

2022年の楽天イーグルス 指揮官が進める「改革」と「成果」

 

優勝争いを演じながら、勝ち切れないシーズンが続いている。チームの全権を握るのはゼネラルマネージャー(GM)であり監督である石井一久。その理想像はどこにあり、現在はどこに位置しているのだろうか。チームの今にスポットを当てた。
文=田口元義(フリーライター) 写真=井沢雄一郎

グラウンドへ厳しい視線を送る石井GM兼任監督。普段のコメントでも、選手たちに求めるハードルは高い


激しい若手の競争


 球団記録の11連勝と波に乗れば、勝ちに恵まれないときもある。それでも今季の楽天は、開幕から骨太でブレない野球を見せる。

「中・長期的に勝てるチームづくり」

 これは、石井一久が2018年にGMとなってから掲げ、監督を兼務することとなった21年から現場でも遂行するチームの方針である。その骨格がいよいよ顕在化されつつあるのだ。

 石井がGMとなってから積極的に着手したのが補強だった。

 18年オフに西武浅村栄斗を獲得。翌年にはロッテから鈴木大地涌井秀章酒居知史、アメリカでプレーしていた牧田和久を招き入れた。そして21年には、13年の楽天日本一の立役者であり、ニューヨーク・ヤンキースでの7年間で通算78勝の田中将大の凱旋を実現させ、バッテリーの強度を高めるために巨人から炭谷銀仁朗も呼び寄せた。

 石井の大胆な補強は、「戦力に厚みを持たせる」といった単純な狙いだけではない。彼らの経験と技術、闘争心の還元こそが深謀なのである。

「楽天はまだまだ歴史が浅い球団なので、『強者のDNA』という部分ではどうしてもほかの球団より浸透しづらいんです。そこで経験と実績のある選手が加わってくることで、選手と指導者、一軍と二軍の垣根を越えた環境を作れるんです」

 楽天は補強組や銀次島内宏明則本昂大らチームを支える13年の日本一を知る生え抜きが、今もラインアップを占めている。だが・・・

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