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止まらない進化! 2023年の大谷翔平

<Episode2 DATA ANALYSIS>大谷翔平をデータで徹底分析 「二刀流」の進化のポイント「投」は継続、「打」は戦略的後退がカギ

 

大谷翔平がさらなる進化を遂げるには何が必要になってくるのか。データ分析のスペシャリストに、「二刀流」の未来を占ってもらった。
解説=森本崚太 写真=Getty Images


【打者編】ゴロ率の上昇は危険信号 打球角度を取り戻したい


 まずは打者としての大谷翔平選手を見ていきましょう。

※トラッキングデータがとれた数字のみで集計


 MVPを獲得した昨年と2022年の打撃データを比較すると、まず打球速度に関しては最高速度も平均速度も変わりありません。打球の勢い自体は昨年同様に鋭いものがありました。

 大きな違いがあるのは打球の平均角度とゴロ率です。全球の平均打球角度は16.2度から11.7度へ下がり、ゴロ率は17.2%から24.1%へ上がっています。つまり打球が昨年ほど上がらなかった、ということです。打球が上がらなければ本塁打を含めた長打の確率も低下します。打率は.257から.273に少し上昇していますが、長打率は.592から.519へ大幅に下落。実際、打席数と打数が増えたにもかかわらず、本塁打は46本から34本に減ってしまいました。その結果、強打者を示す指標であるOPS(出塁率+長打率)は、打率の上昇分では長打率の下落分を吸収できず、.964から.875へ大きく落としています。

 投手の左右別で見ると、やや苦手としている左投手に対しては打球角度もゴロ率も大きな変化はありません。問題は対右投手です。平均打球角度は17.9度から11.5度に大きく下がり、ゴロ率は24.3%に上昇。特に速球に対してはゴロ率が11.9%と低かったのが、26.7%まで増えてしまっています。

 やはり打席でのアプローチが変わったのではと思われるのが・・・

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