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シン・カープ第一章 僕らはまだまだ強くなる。

すべては“新井貴浩監督”から始まった。「戦いながら強くならないといけない。戦いながら誰が出てくるのか」

 

2022年10月7日、球団から発表がなされた。「広島東洋カープOB新井貴浩氏に来季からの監督就任を要請し、受諾いただきましたのでお知らせいたします」(原文ママ)指導者経験のない指揮官の誕生に、期待と同時に不安の声が聞かれたのも事実だ。ただ、覚悟をもってカープに戻ってきた新井監督に、周囲の声は関係なかった。「家族」と呼ぶチームのために、どんなときも、誰よりも全身全霊。その姿勢、その思いが、着実な変化をもたらしている。
文=前原淳 写真=佐藤真一、湯浅芳昭
※成績など情報は8月27日現在


 ペナントレース終盤、必死に首位・阪神を追走している。連勝を続ける阪神のマジックナンバーが一気に減るのを懸命に阻止。離脱者がいる中、新井貴浩監督を中心としたチームは、可能性がある限り“ファイティングポーズ”を取り続けている。

 今季、広島の前評判は、低かった。開幕前の評論家による順位予想では下位予想が並び、最下位とする評論家も多くいた。4年連続Bクラスとなる5位に終わった昨季から大きな上積みは新助っ人のデビッドソンくらい。新人選手や現役ドラフトで獲得した戸根千明を除けば、補強はなしだ。シーズンに入っても新たなスター候補が出てきたわけではない。7月のオールスターゲーム出場選手も最下位の中日と並び最少の3選手(出場辞退した西川龍馬を除く)だった。

 それでも、新井カープは躍進している。現役時代、ともにプレーした選手をはじめ個々の性格や特徴を把握し・・・

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