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セ・リーグ5球団はなぜ虎の独走を許したのか!?

<識者の視点>解説者・高木豊 なぜ阪神は独走できたのか? セ・リーグ5球団の総括と誤算

 

シーズン終盤に抜け出し、全球団に勝ち越しての完全優勝。今年の岡田阪神の強さはどこにあり、他球団との違いは何だったのか。開幕前に阪神Vを予想した高木(高木豊)氏に、CSへの展望も含めて聞いた。
写真=BBM

阪神・岡田彰布監督[右]と広島新井貴浩監督


指揮官の眼力


 阪神が独走で優勝を決めたのは、やはり岡田彰布監督の采配が大きいですよね。投手力を中心としたディフェンス野球が、どの球団よりもしっかりしていました。開幕前から大山悠輔は一塁、佐藤輝明は三塁で起用すると明言し、遊撃からコンバートとなった中野拓夢も二塁で使い続けた。ポジションがコロコロと変わってしまえば守備はもちろん、打撃にも専念できないと思ってのことでしょう。遊撃には木浪聖也、中堅には近本光司とセンターラインが固まっていたのも大きく、そこが他球団との決定的な違いであり、独走の要因の一つでもあったと思います。

 それに投手力。二本柱として考えていた青柳晃洋西勇輝ではなく、村上頌樹大竹耕太郎で20勝以上ですからね。当初、岡田監督が思い描いていた形と違ったとは思いますが、先発の駒をそろえ、青柳、西勇に関しても序盤の不調を最後は取り戻しました。これも岡田監督の見極めでしょう。調子が良い選手を使い、結果が出なければ二軍で調整。良くなれば一軍に上げてすぐに使う。当たり前のことですけど、選手の状態を観察し、把握していればこそです。

 抑えは湯浅京己が不調なら岩崎優を起用し、中継ぎには岩貞祐太石井大智島本浩也桐敷拓馬加治屋蓮ら、調子の良い選手を見極めて使っていました。中継ぎ陣の充実、活躍も独走できた大きな要因。「勝負は9月」と常に先を見据えての起用も他球団との違いでしょう。

A級戦犯は2球団


 対戦成績で最も阪神に勝ち星を献上したのは巨人でしたが・・・

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