社会人野球のシーズン到来となるJABA東京スポニチ大会で、JR東日本は予選リーグ3連勝で決勝トーナメントに進出した。惜しくも準決勝で敗退したものの、大卒2年目コンビが中心となって、24年シーズンは順調な滑り出しである。
取材・文=岡本朋祐

身近で見てきた一流選手

　JR東日本の勝利に貢献したい。150キロ右腕・高山陽成は、野球を続けさせてもらったという「恩義」を感じている。

　作新学院高では2年春から3季連続で甲子園出場。3年夏はエースとして8年連続の栃木県代表を手にしたが、県準決勝で痛めた右肘の影響で、大阪桐蔭高との1回戦は2回1失点で降板した(チームは1対3で敗退)。明大でのリーグ戦デビューは、4年春という遅咲きである。

「大学入学後も苦しんで、思うようなボールが投げられなかった。自分で調べて、トレーニングを継続。高校の先輩でもある2学年上の入江さん(入江大生、現DeNA)にはいつも気に掛けてもらい指導者、先輩、後輩など周りに助けていただき神宮のマウンドに立つことができました」

　最終学年は春秋連覇に貢献し、明治神宮大会で優勝。4年秋のリーグ戦では、早大2回戦の救援で初勝利を挙げている。

「4年春の東大1回戦で初めて神宮のマウンドを踏んだんですが、その登板をきっかけにして、JR東日本からお話をいただきました。大学卒業後も野球を続けたい思いはありましたが、実績がなく、一般の就活もしていない。不安の日々を過ごしていましたが、JR東日本に拾っていただいた形になります。入社が決まると、田中(田中武宏)監督、戸塚(戸塚俊美)助監督、投手コーチの西嶋(西嶋一記)さんらスタッフにも『良かったな！』と喜んでいただけました」

　入社1年目は都市対抗二次予選に登板し、14年連続の本戦出場に貢献。その後左脇腹を痛め・・・