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[インサイド・リポート]松井裕樹[楽天]

プロ初登板で見えた黄金左腕の可能性と課題

 

待ち焦がれたデビュー戦はほろ苦いものとなった。楽天のドラフト1位ルーキー・松井裕樹が4月2日のオリックス戦(コボスタ宮城)でプロ初先発。大きな期待を背負ってマウンドに立ったが、18歳の黄金左腕を待ち受けていたのは、厳しいプロの洗礼だった。
写真=荒川ユウジ



痛感したプロの厳しさ

 交代を告げられたベンチで松井裕樹はぼう然と下唇をかんだまま、しばらく動けなかった。「悔しいです。正直、緊張しましたし、思うようなピッチングができませんでした」。112球を投げ終え、ほろ苦さをかみ締めた。

 プロ初先発となった4月2日のオリックス戦(コボスタ宮城)は、6回3失点黒星デビュー。平日デーゲームとして球団史上最多の2万1861人を集めた注目の一戦。「普段どおりに投げられれば。思い切りやりたい」。自身でも待ち焦がれていたマウンドを、白星で飾ることはできなかった。

 プロの怖さを思い知った。初回いきなり左前打を許した先頭のヘルマンに立て続けに二盗、三盗を決められた。「バッターばかりに意識がいってしまった」。プロ2年間で、わずか2盗塁のペーニャにも簡単に二盗を許す。走者を置いても右足を大きく上げる。初登板の緊張も重なってはいたが、そのスキをしたたかに相手に突かれた。

 2回以降、走者がいない場面でもセットポジションを取り入れ、打開しようともがいた。慣れないクイックも多用したが、5四死球と制球を乱した。高校時代はたとえ走られたとしても、その後の打者を打ち取れば良かった。星野仙一監督は「そういうのが、まだ抜けていないんだろうな。今までで一番悪かった。一番良かったら、とんでもないことだけどな」とプロの厳しさを目の当たりにした左腕の問題点を指摘した。

 オープン戦での「好投」が結果的に・・・

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