偉大な記録はどこまで伸びるのか
また一つ、球史に残る守護神が大きな節目に到達した。
中日・
岩瀬仁紀が7月26日の
巨人戦(ナゴヤドーム)で通算400セーブを達成。もちろん前人未到の大記録だ。
この日は岩瀬の登板までに両軍合わせて13四球を許す荒れ試合。2対4の6回に中日が一挙5点を返し、7対4で9回を迎えた。二死から3連打で1点を返され、二、三塁と一打同点の場面で
阿部慎之助を迎えたが、最後は体勢を崩しながら投じたスライダーで空振り三振を奪った。
「コケちゃいました。自分で(ボールが)どこにいくんだろうという感じ」と苦笑いの岩瀬。捕手を務めた
谷繁元信兼任監督も「ずっと残る映像なのにちょっとカッコ悪いな」と突っ込みを入れたが、どんな場面でもアウトを取りに行く姿勢が垣間見えた瞬間でもあった。
「最近、自分のゴールはどこなのかと考える」
試合後の会見で、岩瀬は素直な心境をもらした。現役NPB選手で岩瀬に続くのは、通算180セーブの
オリックス・
馬原孝浩。日米通算でも
藤川球児(カブス)が222セーブとあって、挑戦者すら見当たらない状況だ。
道の終わりは見えないが、次なる目的地はすでに定まっている。「401セーブを挙げることしかない。何が何でもチームに貢献したい」現代の鉄人はまだ、とどまるところを知らない。
最後の打者を抑え、谷繁兼任監督と握手。バランスを崩しながらの奪三振に「ホッとしているというか、うまくいかないというか、そんな気分」と苦笑