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黒田残留もマエケン移籍でどうなる広島投手陣

来季の現役続行を決断した黒田。戦う姿勢で若い投手陣を引き上げたい

 

広島の「機動力野球」を展開するには1点を守り切れる投手陣が必要だ。12月8日、黒田博樹の現役続行宣言は広島ファンを安堵させた。しかし、エース・前田健太はポスティング制度を用いてメジャー移籍することが確実で、来季の陣容は揺らいでいる。新外国人獲得の動きも加味しつつ、来季のカープ投手陣を整理する。

戦う理由が出そろい 黒田、現役続行を決断


 黒田博樹が現役続行を決断した。12月8日、鈴木清明球団本部長の携帯を鳴らした。「来年もやります」。前日の7日夜、2人は約2時間半の会談を持っていた。黒田に必要だったのは来季も続ける理由。広島以外で野球をやることはハナから念頭にない。金額の問題でもない。

「野球人生最高のモチベーションで戻ってきた」と語る2015年シーズンを上回る動機付けがされなければ、今季、「やり尽くした」と完全燃焼した右腕に、もう一度力を込めることはできない。それが黒田の美学だった。

 エース・前田健太がポスティングシステムを利用してメジャー移籍することを球団も認めた。かつて黒田も、チームのことを誰よりも思いながら、メジャー移籍を決断した。黒田が海を渡った08年、高卒2年目の細腕で広島投手陣を支えたのが前田だった。一軍登板のないまま背番号「18」を受け取り、その年、9勝。10年からは6年連続2ケタ勝利を挙げてエースの道を歩んだ。

 自分のあとを引き継いで広島を支えた後輩が夢を叶えれば、投手陣に大きな穴が生じることは百も承知。前田に後顧の憂いなく海を渡らせるという大義。再び、マウンドを目指す理由として、十分だった。

 球団、ファンの期待も分かっている。日米通算200勝まで残り7勝。「その数字でチームがまた盛り上がれる。そうすればまた、来年は優勝を狙える」。数字に頓着することはないが、鈴木本部長の訴えが世の中の声と重なった。

 黒田は契約年数が重視されるメジャーでも、あえて単年で契約を更新してきた稀有な選手だ。その理由は「チームに必要とされることがプロの選手として大切なこと。自分がどれだけ必要とされているか、毎年見極めるため」だった・・・

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