昨年の都市対抗で「橋戸賞」を受賞した日本生命の藤井貴之。だがそこに至る道は平坦ではなく、入社後は雌伏の時が続いた。粘り強い、負けない投手に変貌を遂げた裏には何があったのだろう。 入社5年目での開花だった。昨年、日本生命の藤井貴之は都市対抗で真価を発揮する。トヨタとの準々決勝では4回途中からマウンドに上がると、タイブレークの延長12回まで8イニングを2安打無失点に。そして延長14回に及んだ大会史に残る大阪ガスとの決勝では、5回途中から最後まで投げ切り、わずか1失点に抑えた。18年ぶり4度目の優勝の立役者になった藤井は、大会の最優秀選手賞にあたる「橋戸賞」を受賞した。
ただ藤井は同大時代、ドラフト上位候補の呼び声もあった逸材。この前年から日本選手権で好投するなどしていたものの、大きく花開くのに時間がかかった感もある。そう水を向けると藤井はこう話してくれた。
「ケガに泣かされたのもありますが、一番は気持ちの部分かもしれません。はじめの何年かはプロに行きたいと、そのことばかり考えていて、結果的に空回りしていた。それに気が付いたのが2年前で、そこからマウンドでも周りが見えるようになり、結果がついてくるようになったんです」 プレッシャーともうまく付き合えるようになったという・・・
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