稲葉篤紀監督率いる侍ジャパン(日本代表)が、11月に開催された第2回(第1回は2015年)プレミア12を初制覇。来夏に稲葉ジャパン最大のターゲットである東京2020オリンピックを控える中、最高の結果を手にした。2019年の日本代表を総括する。 直面した課題
2017年の『WBC』で準決勝敗退後(
小久保裕紀監督)、同チームで打撃コーチを務めていた稲葉篤紀が新たに監督に就任し、20年に競技復活がかなった『東京オリンピック』での金メダル獲得を最大のターゲットに据えた。以降、若手を積極的に抜擢して国際大会の経験を積ませつつ、今春の『強化試合・メキシコ戦』までをかけてチームをビルドアップさせ、11月に開催された『プレミア12』をプレ五輪と位置づけ、09年の『WBC』以来の世界一奪回に挑んだ。
大会を前にはさまざまなアクシデントに見舞われた。まず、左のクローザーと期待されていた
松井裕樹(
楽天)や、日本シリーズを戦っていたため、シリーズ終了後に合流予定だった
千賀滉大(
ソフトバンク)らの辞退が判明(辞退理由はいずれも故障によるもの)。千賀については「日本代表の先発陣の大きな柱として引っ張っていってもらいたい」と稲葉監督も期待をかけていただけに、チームには激震が走った。
その後、沖縄・那覇での2次合宿中に行われたカナダとの強化試合で、足に死球を受けた
秋山翔吾(
西武)が骨折離脱。海外FA権を行使したばかりで『WBC』も経験している日本のリードオフマンの離脱は大きな痛手だったが、辞退者の代わりに追加招集でチームに加わった
大竹寛、
嘉弥真新也、
甲斐野央のリリーフ3投手、秋山の代わりにオープニングラウンドが行われる台湾から急きょ合流となった
丸佳浩は、大会ではそろってチームに貢献し、日本の層の厚さを証明した。
結果的に日本は連覇を狙った韓国を逆転で下し、大会を初制覇。プロが参加するトップカテゴリーの国際大会では、09年の『WBC』以来、実に10年ぶりの世界一となった。指揮する稲葉監督は・・・
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