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新型コロナショックの現在地

NPB状況打破のヒントとなるか?台湾に続いて無観客の中、韓国プロ野球が38日遅れで開幕

 

2月の春季キャンプの時点では集団感染の影響により、むしろ韓国は日本よりも深刻な状況下にあった。そこからさまざまな施策で難題を解決し、ついに5月5日には38日遅れでKBOリーグのシーズンがスタートした。いかに韓国はこの危機を乗り越え、開幕までこぎつけたのか。最新のリポートをお届けする。
文=室井昌也(韓国プロ野球の伝え手)、写真=Getty Images

台湾に続いて韓国のKBOリーグもシーズンインを果たした


コロナ対策チームによる対応マニュアルを作成


 新型コロナウイルスの感染拡大は世界のプロ野球リーグにも大きな影響を与えた。日本、アメリカはいまだいつ開幕するか確定していない。一方で台湾のCPBLは4月12日、そして韓国のKBOリーグは5月5日に、いずれも約1カ月遅れで公式戦をスタートさせた。2月の春季キャンプの時点では大規模な集団感染があり、日本よりも深刻な状況下にあった韓国。そこからどうシーズンインにこぎつけたのか。

 2月下旬から3月上旬、海外キャンプ中だったKBOリーグ全10球団のうち、複数の球団が滞在延期の検討、実施に入った。しかし、その直後に発令された出入国規制によって、一転して急きょ帰国を余儀なくされるなど、当時の球界は混乱した状態にあった。

 キャンプから帰国した各球団は徹底した対策をとった。キーワードは「隔離」と「検査」だ。LGツインズは沖縄から帰国した翌々日の3月9日から、総勢150人をソウル郊外の二軍施設に集め、1週間の合宿練習を開始した。合宿所には1部屋に2〜5人が宿泊し、芹澤裕二バッテリーコーチ(元中日ほか)は「山本さん(崔一彦コーチ)と同室です。咳き込んでいる選手もいるので、もし感染していたら広がらないか心配」と話していた。

「密」ではあるが外部との接触を避けることを優先した結果、感染者は現れなかった。合宿が終わった後も、チームでは外出自粛を徹底した。また、1日複数回の検温と報告が義務付けられるようになった。

 3月10日に開幕の延期が決まった後、KBOリーグは・・・

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