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廣岡達朗連載「やれ」と言える信念

廣岡達朗コラム「新型コロナの専門家にも、『やれ』と言える信念を」

 

ZOZOマリンでの検温


 ついに開幕を迎えた。球音が聞こえてくるのは嬉しいが、6月19日に決めた根拠が私には分からない。もうそろそろ、ということか。

 NPBでは全選手にPCR検査を課し、その後も定期的に検診を行うという。それはいいと思う。

 しかし、一番手っ取り早いのは陽性にならないことだ。聞きたいのは、どうしたら新型コロナに感染しないか。その本質を専門家が言ってくれれば、あとは実行するだけだ。ところが、専門家は何も言わない。統計を取っているに過ぎない。

 昔、入院した糖尿病患者の病状が改善しないため、医師は私の師匠でもある思想家・中村天風にすがった。天風は「俺に任せろ」と、その医師を伴って患者を訪ねた。患者に「砂糖や醤油(しょうゆ)、塩など味が薄い病院食は美味しくないだろう」と聞くと、「もう病院食は嫌です」と頷(うなず)いた。そこで天風は、持ってきていた饅頭(まんじゅう)を渡し、「食べなさい」と勧めた。患者は甘いものに目がない。慌てたのは医師だ。「そんなもの糖尿病に絶対によくないです」。すると天風は「俺に任せたなら、すべて任せろ」と突っぱね、医師立ち会いの下で饅頭を食べさせた。そのとき、「よく噛んで食べなさい」と言うのを忘れなかった。

「よく噛む」というのは、唾液を混ぜて体内に入れることであって、内臓の働きを活性化させるという意味がある。唾液がいかに有益か。私が現役のころに・・・

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