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新時代を翔ける男たち SUN RISE INTERVIEW

巨人・北村拓己インタビュー 石の上にも三年 「結果は今までの積み重ね ようやく形になって出てきている」

 

入団直後から、二軍ではその打力は突出していた。主に四番を打ち、2年目の昨季はさらに成績を伸ばして、最高出塁率(.414)のタイトルも獲得している。ただし、期待されながらも一軍では快音が聞こえない。もがき、苦しみ、覚悟を決めて挑む背水の3年目。地道に積み上げた努力の成果が、いま、花開こうとしている。
取材・構成=坂本匠 写真=毛受亮介、BBM

待望の開幕一軍入り。出番は先発、代打、代走、守備固めと多岐に渡っている


初安打が転機


 8月4日の阪神戦(甲子園)で「一番・二塁」で先発出場した北村拓己は、第2打席で阪神先発・ガルシアからバックスクリーンに運ぶプロ初本塁打を放つなど、2安打1打点で勝利に貢献した。試合後、1月に結婚していたこと、この日第1子の長女が誕生したことを明かしているが、ここまで結婚を公表しなかったのは、今季に懸ける強い思いがあったからだ。「これから『野球』というときに、結婚で名前が出るより、プロ野球選手で名前を残していきたかった」――。決意のとおり、今、ブレークの時を迎えようとしている。

――新型コロナウイルス感染拡大の影響で通常とは異なるペナントレースとなりましたが、早くもシーズンの1/3を消化しました。北村選手は初の開幕一軍で、ここまで28試合に出場していますが、手応えのある序盤戦だったのではないですか。

北村 3年目のシーズンを迎えて、今年ダメだったらプロ野球人生終わりかなと、正直、そういう覚悟の中で始まったシーズンでした。代打からのスタートで、良い結果を残すことができて、その後はスタメンでも起用してもらい、「もっと頑張れるな」というのが率直な思いとしてあります。ただ、手応えということに関しては、余裕のある選手ではないので……。とにかく与えられた場面、与えられた状況でしっかり仕事をする、ということを今は強く考えています。

――「代打からのスタート」は、阪神との開幕3戦目(東京ドーム)、4回のことでした。マウンドには先発左腕のガルシア。この回に3対1と逆転し、なお続く二死二、三塁の好機にプロ3年目にして待望の初安打(初打点)が生まれます。何を考えて打席に入ったのですか。

北村 ひとスイングの勝負だなと思っていました。見逃し2つで追い込まれた状況ではあったのですが、真ん中低めのチェンジアップをうまく捉えることができたかなと思います。

――レフト前に打球が弾んだときの気持ちを教えてください。

北村 正直、早い段階で初ヒットを打っておきたいとは考えていました。これまでの2シーズンで打てませんでしたから、ズルズルいってしまうケースもあると思っていたので。そうなると・・・

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