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田中大貴のMonthly Column

田中大貴コラム 『松坂世代』あの夏から21年目の延長戦 「東京六大学で公立高校出身選手の目標となるモデルケースに」

 

兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じた元フジテレビアナウンサーで現スポーツアンカーの田中大貴は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材した至極のエピソードを、コラムにして綴る連載第29回です。

法大では三番を打ち、2002年には第1回世界大学野球選手権に出場する日本代表にも選出された


公立高から強豪・法大へ


 一塁の守備位置から見ると、ずっとバットとボールがくっついているように見えていました。ゆったり振っているようで、飛んでくる打球は速く、鋭い。鳥谷敬(現ロッテ、当時早大)や青木宣親(現ヤクルト、当時早大)の打球は速く小さく見えましたが、彼の打球は重く、ボールが非常に大きく見えました。正直、一塁を守っていて「怖い」と思う数少ないバッターだったのです。

 あんなにゆったりと振っているのになぜ、あれだけ打球は飛び、鋭いのか。変化球に対しても、真っすぐに対してもスイングの軌道とテンポは同じ。こちらは必死に、一生懸命振っているのに……「本当にうらやましい」。敵チームの主軸に対し、こんな思いを持っていたことを覚えています。大学4年時、法大の三番を打つ河野友軌の打撃スタイルを見ていて、僕は憧あこがれていました。率直に「うらやましい」と。

 埼玉県の公立高校である県立狭山清陵高から法大へ。そして2002年のドラフトで横浜ベイスターズから8位指名を受けてプロの世界へ進んだ河野。同じ地方の公立高校出身の人間としては・・・

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