週刊ベースボールONLINE

平野謙の「人生山あり谷あり、感謝あり」

平野謙コラム 第18回「生涯唯一の正真正銘の3割打者」

 

88年のゴールデン・グラブ賞表彰式。後列左から2人目が平野。ほかにも西武勢は右から伊東勤[捕手]、清原和博[一塁手]、辻発彦[二塁手]、石毛宏典[遊撃手]、一人空けて秋山幸二[外野手]がいる


もしかしたら首位打者?


 1988年が西武1年目でしたが、新天地でのいい緊張感もあって、僕にとって初めての打率3割を残しています(.303)。85年も3割? 前も話しましたが、あれは四捨五入のインチキです(笑)。結果的には、この年が最初で最後の、正真正銘の3割になりました。

 別に打撃開眼したわけじゃないですよ。気がついたらです。この年は二番打者の起用が多かったこともあり、バントも多かったですし(41犠打)、打率なんてまったく考えてなかった。バントが増えたことですか? 別に嫌だとか、ほんとは打ちたいなんて思ったことはまったくありません。いや、カッコつけ過ぎました。少しはありましたが(笑)、前も言ったと思うけど、バントは僕の仕事であって、メシの種。好きも嫌いもない。サインが出たらきっちり決めるだけです。ドラゴンズ時代もそうですが、それができたから試合に出られたし、できなきゃ守備固めや代走でしか使ってもらえなかったかもしれないと思っています。

 ホームランは7本ですか? まあ、そんなもんでしょうね。ホームランを狙ったことですか? ない、ない(笑)。だって、西武では後ろに秋山幸二、清原和博、あと翌89年の途中入団ですが、デストラーデがいるんですよ! お客さんに「なんでお前が振り回してるんだ!」って怒られるだけ(笑)。でも、不思議なことに7本中6本が阪急だったらしいですね。しかも、星野伸之から4本。なんかタイミングが合ったのは覚えてます。あいつの緩いカーブもそんなに気にならなかった。レフトスタンド上段への僕らしくないホームランもあったと思いますよ。

 え? この年・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング