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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

短期連載ダンプ辻コラム 第32回「ブロックのコツはぼけっとすること?(ダンプ捕手講座4)」

 

ホームでのクロスプレーは見せ場でもあった


四六時中考える


──走者が盗塁するかどうかは分かりますか。

D そりゃあ、顔を見れば一発で……いや、ウソ、ウソ(笑)。ただ、研究すれば分かる。みんなそれぞれだけど、じっと見ていたら必ず何かクセはありますからね。前に高木守道さん(中日)の話をしたことありましたよね。あの人は盗塁するときは、必ず一度、塁を少し離れ、踏み出すあたりの土をならすクセがあった。そこを突いてアウトにしたときは、怒った、怒った(笑)。

──見抜くコツはあるんですか。

D コツというわけじゃないけど、見るだけじゃなく、予測するんですよ。こういうカウントで、こういう状況になると、この選手は走るんじゃないか、とか、走らないんじゃないかと思いながら見ていると、漠然と見ているより見抜きやすい。

──一塁で刺すときもあったと言ってましたね。

D そう。バントシフトでファーストが出てきて一塁が空くじゃないですか。そのときピッチャーにボール球を投げさせ、一塁にはセカンドに入ってもらって刺すピックオフプレーが好きでね。相手が警戒しても、ずいぶん殺せた。コツは捕球するとき、体は普通に投手に向いているんだけど、右足のつま先だけピッと一塁方向に向けておくんですよ。捕ったら流れの中でパパッと投げる。最後、巨人にはバレましたけどね。

──田淵(田淵幸一)さん(阪神ほか)が言ってましたが、ホームでのブロックも名人芸だったそうですね。

D 今はコリジョンがあるんで、どうなるか分からんけど、ベースを走路を空けて踏み、外野を向いて走者は見ず、ぼけっと立っている。そうしたら走者は滑らんで走ってくるでしょ。その足音を聞きながらボールを捕ったと同時に・・・

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