1984年就任も3年連続V逸。現役時代からは想像できぬほど辛らつな批判を浴び、ヤジられた王貞治監督だが、背水の陣で挑んだ4年目、ついに頂点にたどり着いた 10月9日、遠征先の広島の宿舎で優勝決定。はしゃぐ王貞治監督に山内一弘コーチがシャンパンをかける
「ありがとう。みんなよく頑張ってくれた。今日は大いにやってくれ。本当にどうお礼を言ったらいいのかな。胸がいっぱいで……」
あいさつの言葉が途切れた。現役時代、“世界のホームラン王”と言われ、数えきれないほどの栄冠を手にしてきた。チームの優勝にも、個人の大記録にも、いつも大きな笑顔を浮かべていた
巨人・王貞治監督が、目を真っ赤にし、声を詰まらせた。
1984年、“禅譲”と言われ・・・
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