週刊ベースボールONLINE

平野謙の「人生山あり谷あり、感謝あり」

平野謙コラム 第34回「やっぱり楽しかった社会人コーチ時代。人に教えることで腑に落ちることもありました」

 

ロッテ、社会人で平野氏と一緒になった礒[写真はロッテ時代]


ティーバッティングの工夫


 前回は社会人・住友金属鹿島のコーチをしていたときの話の途中でしたね(2003〜05年)。

 チームの中で、プロを目指す選手はあまりいなかったし、レベルは確かにプロのほうがずっと高かった。ただ、だからと言って、元プロだからとふんぞり返っていては相手がついてきません。そんなにコーチが多いわけでもないんで、もちろんノックはしたし、バッティングでは自分でバッピー(打撃投手)もやった。ほんと何でもしましたよ。

 選手が食いついてくれたのがティーバッティングです。前も言いましたが、今ほどプロのトレーニング方法がアマチュアに知られていた時代ではありません。当時の彼らは、置きティーか斜め前からひょいと投げるオーソドックスなパターンくらいしかやってなかったようです。そこに僕が来て、バットを逆手で持たせたり、真横からとかいろいろな方向から投げながらやらせたら、面白いと思ったのか、目を輝かせながら食いついてきました。

 実際、ティーバッティングで気をつけなきゃいけないのは、トスが斜め前からだけにならないことです。投げた後で避けるにしても、真っ正面からはそうそう投げられないじゃないですか。そうすると、バッターがネットに向かって真っすぐ構えていた場合、打球方向としては引っ張り系になりますよね。特に慣れてないと、投げている人にぶつけちゃいけないという意識もあって、バットがアウトサイドからになりやすいんですよ。

 もともと、きちんとインサイドアウトのスイングができている選手なら別に問題はないのでしょうが、住金鹿島の連中は・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング