第93回選抜高校野球大会は3月19日に阪神甲子園球場で開幕し、雨天順延2日を挟み、4月1日に決勝が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、昨年の第92回大会は中止。2年ぶりの頂上決戦で、紫紺の大旗を手にしたのは東海大相模高(神奈川)で、10年ぶり3度目の優勝だった。明豊高(大分)は県勢54年ぶりの制覇は惜しくもならなかった。 3度目の優勝を決め、本塁ベース付近では歓喜の輪が広がった[写真=田中慎一郎]
延べ1573人に実施したPCR検査は全員陰性
3月19日、開会式の選手宣誓で仙台育英高・島貫丞主将(3年)は「2年ぶりの甲子園。一投一打に多くの思いを込めて、プレーすることを誓います」と、メッセージを発信した。
昨年の第92回大会は、新型コロナウイルスの感染拡大により中止。太平洋戦争の影響を受けた1942〜46年の中断を除き、中止は初めてのことだった。昨年8月にはセンバツ出場32校を招待した甲子園交流試合(各校1試合)が開催。第92回大会の感染予防ガイドラインを基に、各専門家らの知見を加え「選手の安心・安全」を最優先として、入念な準備が進められた。開幕前には出場32校のチーム関係者の1057人を対象としたPCR検査を実施(大会関係者255人も大会前検査で全員が陰性)。また、1回戦勝者の16校(516人)が再度の検査を受け、全員が陰性だった。大会期間中は宿泊先と公式練習の会場、甲子園の往復のみで、外部との接触は禁止。試合当日も、ゲーム後の甲子園での取材はオンライン形式と、徹底した感染予防策が施された。
入場者は上限1万人(行列等の密を避けるため、すべて前売りで、全席指定席)で、アルプス席は学校関係者に限定し上限1000人。ブラスバンド演奏は禁止されたが、事前に吹奏楽部が録音した音源が場内スピーカーから流され(用意できない出場校は市尼崎高が準備)、従来とは異なる形ではあったが、甲子園らしい活気が戻った。
門馬監督の次男が主将代行として貢献
開幕から31試合目は東海大相模高(神奈川)と明豊高(大分)の決勝。2対2の9回裏・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン