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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第64回「昼と夜で別人だった先輩?」

 

71年に12勝を挙げブレークした古沢。この選手が昼と夜で別人というわけではない


あれはホバークラフトです


 前の前のさらに前くらいでしたかね。衣笠(衣笠祥雄。2018年死去)の話をしましたよね。僕が大洋時代、松山の試合が雨で中止になったとき、いろいろ話したというやつです。あの書き方だと、松山の球場で話したみたいだけど、本当は違うんですよ。それを書いてほしかったんだけどなあ……。え? 言わなかったでしたっけ? おかしいなあ。もしかして、書き忘れたのにとぼけていませんか(笑)。まあ、いいか。そういうことにしておきましょう。

 あれは雨で試合が中止になって、松山から広島に帰る途中でした。ホバークラフトという底から空気を出すことで船底が海面に着かず、浮いている客船の中でした。揺れが少なく、結構スピードも出ました。そこで大洋とカープの選手が、まさに呉越同舟になったんですが、「あっ、ダンプさんだ!」と言って、僕の隣の席に突然、衣笠が座り込んできたわけです。

 そこで僕の言葉、「アウトコースいっぱいいっぱいは、どうせバッターは打てないぞ」というのを、僕がピッチャーに返球する際、言っていたのをヒントに、念願の打率3割を超えたという話です。

 衣笠が死ぬ1年くらい前、彼に呼ばれて横浜スタジアムのTBSの放送ブースで話したことは書いてもらいましたが。もう1つ、忘れられない姿があります。何年だったか忘れましたが、沖縄で阪神と広島のオープン戦があったときです。国際通りで見かけたことがあります。声は掛けませんでしたが、ウイスキーを片手に持って、悠々と楽しそうな顔で歩いていました。人間性も素晴らしい大選手でしたね。

 このときはアドバイスとはとても言えませんが、僕のちょっとした言葉で大きく変わった選手って結構いるんですよ。今回はそんな話をしましょうか。

 まずは、阪神時代の・・・

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