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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第104回「ボールの状態はエースが決めていました」

 

表面をこすっていない新品のボールが好きだったという小山


200勝でつながった?


 少し前、大阪の春季大会で大阪桐蔭高が優勝し、近畿大会に進んだという記事がありました。いや、あの大きな監督さんすごいですね(西谷浩一監督)。どんな指導をしているのか知らんけど、プロに行くような選手をどんどん出しているし、今の選手を見ても、体もスイングもすごいですもんね。プロのチームとやってもいい勝負するんじゃないですか。前も話したけど、阪神あたりが監督に誘ってみたらいいのにね。びっくりして藤浪(藤浪晋太郎)が復活するかもしれないですよ(笑)。

 春季大会は映像で見たわけじゃないけど、センバツはずっと見てました。11番のピッチャー、前田(前田悠伍)というサウスポーがよかったですね。まだ2年生ですけど、すごいと思いました。一番はストレートとチェンジアップのコンビネーションですね。2つを同じタイミングで投げている。体のバランスもいいし、特に上半身と下半身の連動。足を上げてからの動きと、腕の振りのタイミングが素晴らしかったです。投げ分けてるのかどうか知りませんが、チェンジアップのボールの進みも2種類あって、バッターのミートポイントで沈む球と沈まないですっと来る球があった。同じフォームで投げるストレートのスピードがゆるむだけの球ですね。これができると、真っすぐを入れて3つの“球種”で、いろいろなコンビネーションが考えられるわけです。

 思い出したのは、昔、巨人の堀内(堀内恒夫)が投げていたチェンジアップです。何年か忘れましたが、ベロビーチのキャンプで覚えたらしいですね。あれはよかったな。堀内は下半身の使い方がほかのピッチャーと違うんですよ。バッターから見ると、体がすっと前に出てきて、球の出どころが分かりにくい。しかも、そこからのチェンジアップが沈んだり、滑るように伸びたりしてくるんですよ。前田という子のチェンジアップにも堀内みたいな雰囲気があった。ちょっと褒め過ぎ? いいんじゃないですか。まだ高校生なんだから、楽しみにしておきましょう(笑)。

 そう言えば、堀内が200勝のときが雨だったんですよね(1980年6月2日)。相手が大洋時代の僕だった? いや、違います。ヤクルト戦(後楽園)です。テレビで見たのかな。この日、大洋の試合があったかどうか調べといてください。あったとしたらニュースで見たんでしょう(※なかった)。

 よく覚えているのは・・・

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