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よみがえる1970年代のプロ野球 70年代のプロ野球を語る

【対談】若松勉×谷沢健一 同級生対談 優勝&首位打者 古き良き懐かしき70年代の思い出

 

プロ入りは谷沢が1年早いが1947年生まれの同級生だ。谷沢は中日、若松はヤクルトと同じリーグでしのぎを削り、同じ左打者としてお互いを認め合ったバットマン。若松は72、77年、谷沢は76、80年と2度の首位打者。また通算2000安打も同じ1985年に達成している。何かと共通点の多い2人が語り尽くす70年代の思い出。
構成=牧野正 写真=幡原裕治、BBM
週刊ベースボール 別冊空風号 よみがえる1970年代のプロ野球 EXTRA(1) セ・リーグ編
2022年11月28日発売より



初めての首位打者


谷沢 ワカ(若松)は何年入団だったかな。俺はちょうど1970年がプロ1年目になるんだよね。

若松 谷沢の次の年の71年だよ。俺はノンプロ(電電北海道)で5年やってからのプロ入りだったから。

谷沢 しかし、5年もノンプロでやってプロに入るのも珍しいよな。

若松 プロに行く気はなかったし、行けるとも思ってなかったから。

谷沢 ドラフトは何位だった?

若松 3位。1位は山下慶徳(河合楽器)、2位は左投手の三橋(三橋豊夫、日本通運)だったかな。ただ、チームに同級生は多かった。松岡(松岡弘)に大矢(大矢明彦)に安田(安田猛)、それに同じドラフトで会田(会田照夫、8位)とか。中日だと谷沢のほかに誰がいる?

谷沢 渋谷(渋谷幸春)とか幸行(松本幸行)がいた。覚えてる?

若松 もちろん。松本と安田が先発で投げると試合がすごく早かった。2人ともテンポ良く投げるから。

谷沢 2時間かからなかったよな。しかもノーサインだもん。幸行なんてボールを挟んで投げているのが打者に丸分かりだったけど、お構いなし。それで20勝したからなあ(74年)。

若松 確かに松岡と大矢のバッテリーもノーサインだった。そりゃ試合も早く進むよ。谷沢は新人王を獲ったんだっけ(70年)。

谷沢 ルーキーの年にね。水原(水原茂監督)さんに使ってもらって、5月までは首位打者だったんだけど、疲れが出て来て6月からガタッと。バットが振れなくなった。学生時代との違いかな。でも水原さんが使ってくれた。

若松 それは谷沢を育てなければいけなかったからだと思うよ。

谷沢 ワカの1年目は誰が新人王?

若松 関本(関本四十四巨人、71年)。優勝して2ケタ勝ったんじゃなかったかな(10勝)。でも確かルーキーじゃなかったんだよな(高卒4年目)。

谷沢 ワカは1年目は、どれくらい打ったの?

若松 3割ちょい(.303)だけど規定打席に届かなかった。でも、もしかして新人王に選ばれるかもしれないということで、オフで北海道に帰っていたんだけど、発表の日は電話の前にいてくれと言われてね。ずっと待っていたんだけどなかなか電話が鳴らなくて、ようやく鳴ったと思ったら「残念でした、すいません」だった(笑)。

谷沢 悪いけどワカの1年目はまったく覚えていなんだよな。ワカの存在を知るようになったのは打席で腰を振るようになってからだな(笑)。

若松 そりゃそうだよ。こんなチビだし、背番号もまだ57だったし。

谷沢 でも2年目ですぐに背番号1になったんだから、球団からも期待されていたんじゃないか。それで2年目にすぐに首位打者(72年)を獲るんだから大したもんだよ。

若松 あれは・・・

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