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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第131回「最近、ボール球をうまく使うキャッチャーが減ってきたと思いませんか」

 

日本シリーズで体を張って捕球していたオリックス・若月


わざとフルカウントもあり


 昔の村山(村山実)さん(元阪神)、遠藤(遠藤一彦。元大洋)あたりは、まずなかったけど、今のピッチャーのフォークボールはショートバウンドが当たり前ですよね。それどころかベースの前に落ちたりすることもある。僕は現役じゃなくてほんとによかったと思います。あんなの怖くて捕れません。

 ただ、ほとんどは見極められたら単なるボールですよね。いまはみんなブンブン、バットを振るから空振りしてくれるけど、昔の吉田(吉田義男)さん(元阪神)みたいなバッターなら、絶対に手を出さんと思いますよ。

 僕が現役時代、ああいう球を決め球にした投手をリードするとしたら? まずはブルペンで怒って、ちゃんと地面に着かんように投げさせますが(笑)、あえてフルカウントにし、ボール臭い球でも手を出やすくしてから投げるのも手でしょうね。不思議と1-2や2-2よりバットが出やすいんですよ。

 それはともかく、最近、ボール球をうまく使うキャッチャーが減ってきたと思いませんか。球数は少ないに越したことはありませんが、3-2のフルカウントまでは持っていけるし、場合によっては四球でいいときもあります。相手が手を出さんでも次の球の布石にしたり、打ち気たっぷりのバッターをおちょくったりと、武器になるんですけどね。

 今は、ボールピッチと言えば、だいたいが2ストライクと追い込んでから、外に外すワンパターンだけでしょ。しかも捕球に自信がないのか、ピッチャーのコントロールに不安があるのか、サインだけじゃなく、体を持っていって知らせることがある。一応、バッターはキャッチャーを見ないことになっていますが、あんなに動けば嫌でも見えます。バッターを少しでも迷わせることが大事なのにもったいないですよね。

 あとね、大事なのはコンビネーションなんですよ。その投手のどの球をどう使ってバッターを追い込み、勘違いさせ・・・

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