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【DeNA】衝撃のサイ・ヤング賞投手加入!! トレバー・バウアー入団会見

 

開幕が目前に迫る中、DeNAへ加入した2020年のサイ・ヤング賞投手が入団会見を行った。日本野球史上最大級の補強に横浜の街が興奮に包まれている。
写真=大賀章好

日本でプレーすることは「ずっと僕の中でやりたいことリストに入っていた」


空白期間も問題なし 日本球界に旋風起こす


 3月24日、DeNAが横浜市内のホテルでT・バウアー投手の入団会見を行った。メジャー・リーグ通算83勝の実績もさることながら、2020年のサイ・ヤング賞投手が加入するというビッグイベントに、会見場も心なしか落ち着かない雰囲気が流れていた。

 そんな中、萩原龍大常務取締役チーム統括本部長、飯澤龍太通訳とともに壇上に上がったバウアーは、逆に終始落ち着いた様子で受け答えをこなした。

 獲得の経緯について萩原本部長は「FAになったと情報が入ってすぐに全社を挙げて検討した。その上で獲得すべきだと判断した」と球団の最重要ミッションに設定していたと言う。バウアーは日本でのプレーに「自分の中でずっとやりたいことリストに入っていたこと」と語り、その原点は09年の日米大学野球選手権でアメリカ代表として来日した際、大勢のファンで埋まった東京ドームの光景だと振り返った。アメリカの大学野球では、この規模の球場に大勢のファンが集まることはまずない。この経験が日本の野球にバウアーを惚(ほ)れこませた。さらに、19年オフにはDeNAのファーム施設『DOCK』を訪れ、選手たちと交流した。それ以降、球団職員と親交を持ち続けたことも入団の一因となった。

背番号は自身の目標とする数字に


 バウアーは、21年6月に女性に対するDV疑惑により制限リスト入りし、その後、出場停止処分を科され22年の登板はなし。それでも「すべての面で強化を続けてきた」とフィジカル面に加え、新たに取り組んでいる変化球「スプリットチェンジ」にも自信をのぞかせた。MLBと違いがあると言われるNPB公式球については、ボールを半分に切って断面を確認するなど研究に余念がない。「4月中には投げられるように」と早期の登板にも意欲を示している。

 当然、高い数字を期待される存在。「チームに貢献し優勝すること」が最優先であり、「勝つこと」が大事だと前置きした上で、個人目標には「200奪三振、直球の平均球速96マイル(約154.5キロ)以上」を設定した。達成すれば21年シーズンの直球平均94マイル(約151.3キロ)から大幅な向上となる。背番号も目標とする数字に合わせ「96」に決めた。

 対戦したい打者にはヤクルト村上宗隆の名前を挙げ、WBC日本代表でも全試合に出場した令和の三冠王攻略に意欲を示した。

 バウアー本人が語る「野球を科学することに情熱をかけてきた」経験は、DeNAのチームカラーにマッチする。プレーのみならずその豊富な知識も貴重で、WBC日本代表でのダルビッシュ有(パドレス)的な存在になる可能性も。チームスローガン“横浜頂戦”達成へ強大な戦力が加わったことは確か。日本球界に“バウアー旋風”を吹かせてみせる。

レイチェル・ルーバ氏 “開拓者”と呼ばれる敏腕代理人


レイチェル・ルーバ氏


 2020年オフにドジャースと3年総額1億2000万ドルとも言われる大型契約を取り付けた代理人。今回の契約も担当していたと見られており、バウアーのNPB入りを会見場で見届けた。アメリカでは女性エージェントの“開拓者”として知られている。
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