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DeNA・筒香嘉智が5年ぶり古巣復帰を横浜スタジアムで報告 NPB復帰への思いと競争意識

 

2016年に44本塁打、110打点で打撃2冠を達成した当時の絶対的チームリーダー。19年にポスティングシステムでMLBへ挑戦し、5年ぶりに横浜へ帰ってきた。異例とも言える球場での入団会見で思いと決意を語った

5年ぶりに袖を通すDeNAのユニフォーム。優勝へのピースとなることを誓う


 90人以上の報道陣に加え、試合のない平日の夜にもかかわらず、開門前から1000人が列をつくり、最終的に9600人以上のファンが席を埋めたことは周囲の期待感を示している。

 スーツで球場へと現れた筒香嘉智は、ファンから送られた応援歌と声援に「正直かなり鳥肌が立っています」と噛み締めるように話し、感謝の言葉を述べた。自身の歩んできた道を振り返り「僕は常に野球がうまくなるほうをという意識が頭の中にあり、これまでうまくなるほうを選択してきたつもり」だと語った。

 日本での在籍10年間で200本以上の本塁打を放ってきた大砲だが、19年オフにポスティングシステムを利用してレイズへと移籍してからは、数字だけを見れば思うような結果を残すことができなかったと言える。アメリカの独立リーグを経験することもあった。そして今春、ジャイアンツを退団となり悩んだ末、5年ぶりの日本球界復帰を決めている。

「正直、日本に復帰するというモチベーションが今ひとつ上がらなかったのが実際」と語るのもアメリカが本人の選んだ“うまくなるほう”だったから。

 では、横浜へと呼び戻したものは何だったのか。

「ベイスターズで優勝したい、優勝するという思いが僕の今、日本でプレーをするモチベーション」

 そう思わせたのは渡米後、毎年DeNAの南場智子オーナーから掛けられた心を揺り動かされる言葉だった。詳細な内容まで明かすことはなかったが、“優勝”にかかわる言葉であったことは筒香の言葉からも読み取れる。

 ただ、復帰が決まったからと言ってポジションが用意されているわけではない。筒香がアメリカへと旅立ったのちに佐野恵太牧秀悟らがチームの中心として台頭。若い世代のアピールも続く。本人が現在の状況をもっとも理解している。

「勝負の世界に、『ポジションどうぞ』はないと思う。アメリカでプレーした4年間、ベイスターズの10年間、これからも変わらず、自分のパフォーマンスでポジションを獲りにいくだけ」

 その姿勢も“うまくなるほうを選ぶ”ことだ。

 背番号は前回在籍時と同じ「25」。「感謝しても足りない喜びがある」と、渡米後も誰にも番号を渡すことなく待っていた球団に恩返しを誓っている。

 会見翌日には、二軍施設でフリー打撃を行いサク越え連発。さらに20日にはイースタン・巨人戦(横須賀)に四番・DHで先発出場した。これが、1657日ぶりの日本での試合。第3打席で中前への適時打を放ち、試合勘への心配も杞憂だと示した。

 現役時代にともにプレーした三浦大輔監督を胴上げする立役者を目指し、順調な滑り出しを見せている。
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