サインで縛られるうちに打者が自分で考えるのを忘れてしまった
9月12日付の新聞を開いて驚きました。
阪神が
ヤクルト戦(甲子園)で今季20回目の完封負け(0対2)。この11日現在で阪神は65敗ですからゼロ敗率なんと31パーセント!これでは投手陣はやってられませんよ。
まともに点を取ってくれていれば
スタンリッジも
メッセンジャーも久保も勝ち負けが逆になってるハズです(能見と岩田は、今年は打線のせいにはできないでしょうね)。
もっとも今年は阪神だけが打てないワケじゃありません。かなり話題になりましたが、9月2日の6試合での合計得点14というのは、1日に6試合以上開催された場合の最少得点ですよ。これまでの記録は66年5月18日の16点ですが、これはある面、あり得ることで、城之内(
巨人)、村山(阪神)、皆川(南海)、
田中勉(西鉄)のエース級が4完封なのだから。
しかし、2日の場合は、エース級はいません。まあ、ヤクルトの村中の1対0完封(対
中日)が、昔のエースを思い出させるぐらい。
いまの野球は判で押したように初回から送りバント。これをしないと、まるで野球にならんような感じです。でも、結果として野球になっとらんよ!1点をセコく取りたいからバントやってるのに、史上最少得点デーになっちゃうんだから。どうしてこんなことになってしまったのか。
オレは単純にこう考えます。「選手に自由に野球をやらせないからだ」と。例えばいくら村田(巨人)が不振といったってバントで縛って、打てないことの補いをつけさせるというのは、おかしいと思う。元本塁打王に対して「それはないだろう」というのもあるけど、村田は巨人で何を学ぶべきかという観点から考えた場合、それはないだろう、なんです。
巨人は独走してるだけあって、打てない今年の中にあって、阿部、高橋由といった自分の打撃を持っている打者が要所で「バッティングとはこうだ」というのを示している。村田は、言っちゃ悪いけど、タイトルは持っていても自分の打撃というのを持っていなかった。村田は阿部、高橋由、そしてようやく戻ってきましたが、小笠原のバッティングを間近で見て学ぶべきなんです。ベンチは、その学習意欲をバント指令でそいじゃってる。こんなもったいないことはありませんよ。
まあ、この傾向はどこも一緒で、その結果が1日14点しか入らんプロ野球なのです。
バントだってね、昔は、その打者の創意工夫に任せたものです。オレは初めから構えるバントが大嫌いだった。一応ちゃんとフツーの構えで立って、サッとバントの構えをして送る。それでも失敗はなかった。それは、いつも腕1本でバント練習をやっていたおかげです。これをやると右腕も左腕も自在に動くようになる。いつだったか、一塁手がかなり左に寄ってるので、一塁線ギリギリに転がすヤツを打ってみた。するとこれが意外に球足の速い打球になって、一塁手が追いつけず、一塁線を抜く「バント二塁打」になってしまった。こういうことがあると、打者は楽しくなる。そしてまた、いろいろと自分で考えて打席に立つようになる。
とにかく、12球団のベンチの方々は・・・
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