自分が想像していた以上に早く一軍の試合に出ることができた。まだまだ自分のことで精いっぱいで足りない所だらけ」 今や
オリックスの外野のレギュラーとして君臨している、ドラフト8位ルーキー・
川端崇義。
5月までは3割近い打率を残し坂口、T-岡田がケガで戦線離脱するなか、貴重な戦力として外野の一角を守り切った。夏場に向け打率は落ちてきたもののパ・リーグの新人野手の中では一番の輝きを見せる。 開幕一軍を勝ち取るも守備固め、代走の2試合に出場し、4月1日の
ソフトバンク戦後に二軍行きを宣告された。「やることはたくさんあった。次は落ちないように下(二軍)でみっちりやろうと」。チャンスはすぐに訪れた。4月21日に一軍登録されると即スタメン。8回の第3打席でプロ初安打となる遊撃内野安打を放ち3打数1安打。
5月19日の
ヤクルト戦(神宮)では延長11回、二死満塁から走者一掃の決勝打を放ち、初のお立ち台を経験した。 そして衝撃的だったのは5月22日の
阪神戦(甲子園)だ。0対0の6回一死満塁で左翼席へプロ1号のグランドスラム。パ・リーグ史上9人目の離れ業を成し遂げた。川端の一打は岡田監督の交流戦通算100勝目のメモリアル・デーを飾る一発となった。指揮官も「チャンスの方が強い。簡単に空振りをしないし、よう頑張ってるよ」と目を細める。 ルーキーといえど年齢はすでに27歳。チーム内では大引、坂口と同学年になる。
「去年のドラフトの中でも年長者。1年目から結果を残さないと後がないと思っている。毎日が必死です」。今季の目標は規定打席。遅咲きのルーキーは必死にもがき続ける。