開幕当初こそ当たりが出なかったが、徐々に調子を上げてきた。4月7日の
中日戦(東京ドーム)で
阿部慎之助は1号3ランを放ち「自分の中ですっきりした」と安堵の表情を見せた。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の主将として心身ともに負担の大きい戦いを終え、
巨人の主将に戻った。「どれだけ早く切り替えてやるか」とシーズンに向け、一度気持ちをリセット。WBC後から短い期間ではあったが「打つ、守るはできている。ある程度走り込んで」ともう一度体を作り直した。WBC日本代表として主力7選手がキャンプ途中から巨人を離れただけに、チームプレーの徹底など、普段のシーズンとは違った難しさもある。それでも、阿部は「序盤はチーム全体を見ながらやりたい」と平然と言った。
「長丁場だし、どうなるか楽しみ」と胸を高鳴らせ、日本一連覇に挑むシーズンが始まった。チームは序盤から絶好調。ただ、阿部は4日の
DeNA戦(横浜)までの5試合で、打率.188の打点1。「あとは僕が打てば楽に勝てる」と苦笑しながら言った。
本拠地に戻った5日の中日戦(東京ドーム)の6回に適時打を放つと、翌6日には2打点。7日には3ランを含む4打数4安打の固め打ちで通算1500安打も達成。チームの勢いをさらに乗せた。ベテランはデビュー戦のことを「鼓動が聞こえるくらい緊張した」と懐かしんでいた。
72年ぶりの開幕7連勝をマークするなど、巨人は開幕ダッシュに成功した。「個々で何をしないといけないかを、考えられるチーム」と言う集団を太い柱の阿部がまとめ上げていく。